【呪術廻戦】精一杯の声を君に【狗巻棘】 (ページ18)

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16話ページ18

Aside

次の日。

身支度を整えて、まだ若干寝ぼけたまま、私は1年の教室までの廊下を歩いていた。

そういえば、狗巻先輩喉治ったかな。

(後で2年の教室覗いてみるか)

なんて考えながら曲がり角を曲がろうとしたその時、目前に大きな影がぬっと現れた。

『きゃっ…』

避けきれずにぶつかってしまったが、想像していた痛みはいつまで待ってもやってこない。

代わりに、私の肌はもふもふとした心地良い感触が伝わってきていた。

パンダ｢うおっすまんA。大丈夫か？あとおはよう｣

『いえ、こちらこそすみません。むしろもふもふして気持ちよかったです。

あとおはようございます、パンダ先輩、狗巻先輩、真希先輩』

狗巻｢こんぶー｣

真希｢おはよう、A。パンダの毛皮気持ちいいだろ｣

パンダ先輩の隣には狗巻先輩と真希先輩もいて、2人とも少し眠そうにしていた。

皆で教室に行くところだったとか？仲良しだな

あ、そういえば…

『そういえば狗巻先輩、喉大丈夫そうですか？』

さっきの｢こんぶー｣の声も枯れていなかったけど、心配だったから一応聞いてみる。

狗巻｢すじこ｣

得意げに先輩はピースサインを返す。

『そうですか。大丈夫そうで良かったです』

だけど、呪言なんて毎日のように使うだろうし、その度に喉痛めてるって事だよね。

大変そうだなあ…また紅茶作って持っていこうかな。

なんて1人で考えていたせいで、真希先輩とパンダ先輩が不敵な笑みを浮かべて顔見合わせたのにも気づけなかった。

真希｢なんだよ棘。お前いつの間にAとそんな仲良くなってたんだよ｣

パンダ｢あらやだ、棘くんったら〜｣

数秒遅れて、脳がその意味を理解する。

狗巻｢おか、おかかあ！！｣

『別にそんなんじゃ無いです！！』

否定しようとしたら、狗巻先輩とタイミングが重なった。

それにまた2人はニヤッと笑い、｢ま、そういう事にしておいてやるよ｣と言い残して、狗巻先輩をイジりながら教室の方へ行ってしまった。