早くくっついてくれ大作戦…。(FK) (ページ16)

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15 【藤ヶ谷side】※ ページ16

「…あれ？」

これは…俺のパンツじゃない…
サイズが…ちっちゃい笑

って笑い事じゃない！

このホテルは脱衣所がなく、本来は湯船にはお湯を張らずにそこで身体を洗い、身体を洗うところで着替える…といった仕組みになっていた。

でも、北山には無理を言って、シャワーを長々と出して浴槽にぬるま湯を張った。

要は今、脱衣所は全く無いと言っていいほどで、北山の着替えは身体を洗うところにある洗濯干しに置いてあるはず。

「届けに行くか…」

確実に北山のパンツだ、という保証はなかったけど、俺は気に入ったらおんなじパンツを大量に買うタイプだから、柄のパターンは3種類くらいしか揃えていない。

長旅になりそうだったから余分に持ってきたりはしたけど、こんな柄は絶対に持ってきてないと言い切れた。

まずまず、そこら辺にパンツを放置すること自体、俺はしないと決めている。

潔癖症とかじゃなくて…単純に恥ずかしいから笑

北山は恥ずかしくないのかなぁ…いや、運んでるときに落としたとかだったら絶対恥ずかしいよな…

出来るだけ気を遣わなくていい言い方を考えて、お互い恥ずかしくない雰囲気でパンツの受け渡しをするには…

でも、こういうのはサラッと終わらせたほうがいいやつだと思う。

もうその後からは『覚えてませーん！なんのことてすかー？』みたいな顔しとけば無かったことになるよね？？

うん、そうしよう。スマートに渡して、余計なことは言わずに、北山がお風呂から出てきたら何食わぬ顔をしていればいい。

「…よし。」

風呂の前まで来てやっと決意を決めた。

びっくりしない程度で、聞き取りやすいくらいのノックをして呼びかける。

「北山ー。」

北「…はぁ…っ、」

返事の代わりに、北山のものらしき吐息だけが返ってくる。

「…北山？」

北「…んっ// …ぅ、ぁ…//」

…もしかして、苦しんでる？！
最悪の場合救急車呼ばなきゃ…！！

「北山！入るぞ！」

俺は勢いよくドアを開け、北山の安否を確認する。