あるお膝の上 ページ4
✥
太宰side
もしも君に好きな人が
いたとするでしょう？
それでさ、その女性か……
あるいは男性かもしれないけれど
その人に好きな人がいたら
君はどうする？
判り易く言うと
好きな人に好きな人がいるって
承知の上で 思い続けることって
どう思う？
「太宰さん、来たよー？
部屋の掃除手伝ってほしいって
珍しくやる気になってたから
私も色々持ってきたけど……」
こんこんと玄関の扉が叩かれて
私は彼女を家に上げる。
社員寮のこの部屋は、
言うなれば私の個人領域なのだから
他人を上げるのは
滅多なことじゃないと無い。
……ていうか……
君しか上げないんだけどね……
スカートの広がりを押さえながら
Aが靴を脱いで
玄関先で立ち止まっていた私を見る。
「太宰さん？
どうかしたの？」
嗚呼、その
ひとの様子を窺うときに
耳に髪を掛ける仕草も
全部 君のままだ。
「うぅん……何でもないよ。
ほら、どうぞ？」
本当は知っているんだ。
Aには恋人がいる。
しかもその人を私は良く知っている。
だけど
気づいていないフリをした方が
無知のままでいた方が
都合がいいときもある。
「おじゃましまーー……
って、なんだ〜、もう片付けてたの？」
「私は独り身だからね。
元々殺風景な方だよ？」
綺麗になった八畳一間
一人暮らしの私にしてみれば
広すぎる。
Aの手を取って
その手に持っていた鞄は
椅子に置いてしまうと、
畳に座らせる。
「そういえばさ
此処に来ること、よく安吾が
許してくれたね？」
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はな(プロフ) - 私も待ってます！ (2022年4月9日 23時) (
レス) @page5 id: 769fe6ecc6 (このIDを非表示/違反報告)
凛月 - 初コメ失礼します！この作品、とても面白いので、これからも更新頑張ってください！応援しております！ (2020年7月30日 0時) (レス) id: 50b8d2a48c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やみこ。 | 作成日時：2020年7月4日 13時
