×Jungkook 1 ページ10
宿舎の地下駐車場で皆とドライバーさんと解散した後、歩いて五分もかからない距離にある自分のアパートに向かう。
いつもは家まで送ってもらうけど、今日は比較的早い時間だったので歩いて帰った。
玄関の前に着くと ───。
「ねぇ」
『ひえっ…』
背後から声をかけられて心臓が跳ねた。
恐る恐る振り返ると、黒いパーカーのポケットに両手を突っ込んで立つ人物がいた。
片方の手を抜いて、人差し指で黒いマスクを下にずらし、顔を覗かせる。
『…ジョングクさん？ついて来たんですか？』
すぐ後ろにいる事に気づかなかった。
話し掛けられるのは初めてと言っても過言ではない。
それがこんな所まで。
何故？
「入れてよ。玄関でいいから」
『いや、でも…こんな時間ですし』
比較的早いといっても夜は、夜。
さすがに一人暮らしの家に入れるのは躊躇する。
「他人が見たら、女の子の家に入ろうとしてるって思うよね。撮られちゃうよ？いいの？」
金色のピアスを揺らし、終始無表情のジョングクさんがサラリと脅す。
誰かに撮られてSNSに上げられたりしたら…。
マネージャーとして拒否できないと知ってて、そういう事言うのは…。
狡いよ。
━━━━━
初めてこのアパートに男性を入れた。
国内のみならず、世界中の女性をも夢中にさせるジョングクさんが私に何かするとは思わないけど、家に男性と二人っきりは、さすがに…緊張する。
悩み事相談とかかな。
普段話もしない私になんて、する訳ないか。
玄関でいいと言われたけど、さすがにお茶でも出すべき？
頭を悩ましてる私なんか無視して、ジョングクさんはマスクを外し、玄関内でポケットに手を入れたまま、部屋の中を見回してる。
玄関を開ければすぐリビングの、特に拘りもない寝に帰るだけの1LDK。
ジロジロ見られるのは、…恥ずかしい。
「付き合ってる奴、いるの？」
『へ？』
突然の予想だにしない質問。
ここまで来て聞きたい事って、それ？
なんだか拍子抜けした気分だ。
『答えたら帰ってくれるんですか？』
「答え次第」
狭い玄関内で私より目線の高いジョングクさんに見下ろされると緊張する。
YESかNOの二択で迫り、ハズしたら居座る気な返答。
…考えても仕方がない。
ここは正直に、力強く言い放つ。
『いません』
「ふーん」
………。
どうやらハズしたらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 332人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lia(プロフ) - nasahiさん» 楽しみなんて言って貰えて嬉しすぎて私がきゅんきゅんしております✨あたたかいコメントありがとうございます (3月19日 19時) (
レス) id: 2f80daa520 (このIDを非表示/違反報告)
nasahi(プロフ) - いつも楽しみにしてます✨ソクジン推しなのでソクジンメインのお話が見れて嬉しいです(*^^*)きゅんきゅんさせていただきありがとうございます (3月19日 15時) (レス) @page43 id: 30d7aaf159 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：lia | 作成日時：2024年1月23日 5時
