Namjoon side ページ49
作曲作業を切り上げて練習室に向かう。
階段を上るその足取りは重い。
ダンスは苦手分野だ。
憂鬱な感情が反映されてしまったのか、気力の無い手から提げていた録音機材が離れていく。
けたたましい音を響かせて床に落ちる様を見て、どうしてこうも物に嫌われるのか、と考える。
また、やってしまった。
同じ事を繰り返す自分に呆れながら、ふと視線を感じ顔を上げれば、ジンヒョンと…女性がこちらを見ていた。
驚いた表情に、俺のせいだと気付く。
その人が脱兎の如く駆け降りてくるから、思わず一歩下がって道を開けた。
その背中に気をとられて、消えていった階下を見つめていたら、ヒョンがゆっくりと俺の近くまで下りてきて屈んだ。
「あー…、これは修理に出さないとダメだね。本当そそっかしいな、ナムジュナは」
飛び散った破片をいくつか拾い上げながら、いつもと変わりない口調で話すヒョン。
絶対ヒョンの心境と合ってない話し方だ。
不自然なその場の雰囲気にヒョンの事が気になり、俺は壊れた機材の事など、もう頭の片隅にもなかった。
「邪魔をしてしまいましたね。すみません。
今の…、どなたですか?」
徐に立ち上がり俺の手に欠けらを渡す。
その目は何処か物悲しそうで。
切なげだ。
初めて見る表情に胸がざわつく。
微かに口角を上げ、真っ直ぐ俺を見据えて言った。
「………僕の、好きな人」
24.4.8
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lia(プロフ) - nasahiさん» 楽しみなんて言って貰えて嬉しすぎて私がきゅんきゅんしております✨あたたかいコメントありがとうございます (3月19日 19時) (レス) id: 2f80daa520 (このIDを非表示/違反報告)
nasahi(プロフ) - いつも楽しみにしてます✨ソクジン推しなのでソクジンメインのお話が見れて嬉しいです(*^^*)きゅんきゅんさせていただきありがとうございます (3月19日 15時) (レス) @page43 id: 30d7aaf159 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lia | 作成日時:2024年1月23日 5時