“彼”だから ページ46
一日置いた出勤前。
容器の回収に向かうと、今日も手紙が添えてあった。
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ごちそうさまでした。
今回も、とっても美味しかったです。
また持ってきてくれるかなって実はずっと期待してました。
もしかして、練習の邪魔をしないようにって時間を変えました？
だったら気にしないで下さい。
手紙のやり取りもいいですけど、ヌナと話す方が元気が出ます。
次は、必ず声掛けて下さいね。
キムソクジン
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名前の横にクマか犬か分からない、もこもこした可愛いキャラクターを書いてくれていた。
とても上手いとは言えないそれに、すごく好感が持てて頬が緩んでしまう。
絵からソクジンさんの人の良さを感じた。
前回のノートを切り離したものとは違う。
シンプルな切り取り式のものだけど、便箋なのは明らかで。
それは私の為に用意されたものだと分かった。
書面でだけど、突然のヌナ呼びに思わず可愛いって思ってしまった。
大学生の男の子に、話すと元気が出るなんて言われて嬉しくない年上女性がいるだろうか。
ううん、違う。
“大学生の男の子”だからじゃない。
きっと、“彼”だから。
胸に湧く淡い感情。
自分で思ってたよりも、彼の言葉は胸に響いてしまってたんだって悟った。
でもソクジンさんは友達になりたいって、それだけなんじゃないのかな。
だとしたら私の感情は、そんな彼の気持ちを裏切る事になるの？
それに、アイドルに本気で恋をするなんてそんなの…。
すぐに玉砕しても、そうじゃなくても。
辛い未来が目に見えてる。
傷は、浅い方がいい。
期待なんてしない方がいい。
第一、出会った時の私はゴワついた髪で、かさついた肌の。
…眼鏡の冴えない姿。
彼が恋愛感情を持つわけ…。
私はそれ以上、考えないように気持ちに蓋をした。
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今日も練習室へと続く階段を上る。
ここに来る時は、用心の為に常にメガネ着用だ。
前回同様、今は出勤前。
彼の手紙の内容を無視してしまって申し訳ないけど、彼の姿を見る自信がないからだ。
そっとガラス戸を開けると、いつもの棚にランチバッグが置かれていない。
部屋の中に目を向けると奥に置かれた黒いリュックとランチバッグを発見する。
リュック？……まさか。
首の角度を変えると、床に座り足と手を目一杯伸ばして柔軟体操をしているソクジンさんの目と私の目がぶつかった。
二人して口を“あ…”と、あんぐりと開け一瞬固まる。
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lia(プロフ) - nasahiさん» 楽しみなんて言って貰えて嬉しすぎて私がきゅんきゅんしております✨あたたかいコメントありがとうございます (3月19日 19時) (
レス) id: 2f80daa520 (このIDを非表示/違反報告)
nasahi(プロフ) - いつも楽しみにしてます✨ソクジン推しなのでソクジンメインのお話が見れて嬉しいです(*^^*)きゅんきゅんさせていただきありがとうございます (3月19日 15時) (レス) @page43 id: 30d7aaf159 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：lia | 作成日時：2024年1月23日 5時
