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次の日も、一日の最後に鍵を閉めに向かう。
昨日もソクジンさんと別れた後、こっそり戻って鍵を閉めた。

今日は嫌いな眼鏡を敢えてかけてきた。
何故なら、反応に戸惑ってしまうソクジンさんの真っ直ぐな言葉を直視する度胸がないからだ。

練習室のドアは中央がガラス戸になっていて、少しなら中の様子が窺えるし、照明がついていれば分かるようになっている。
今は光が漏れていないので、誰もいないようだ。
ドアを開け、練習室を覗く。

『…あった』

ドアを開ければ手が届くほどの距離の小さな木目調の棚の上に、私のランチバッグが置いてあった。

昨日会ったのは0時近く。
きっと今日も朝からスケジュールがいっぱいな筈で。
疲れてただろうに、昨夜帰ってから洗ってくれたんだ。
そう思うと見慣れた、なんて事のない私物が特別な物のように思えた気がした。


でも。

会えなかった事が、すごく私の心を沈ませている事に気が付く。

“会う為の口実”
そう言っていたのに…。

やっぱりその場だけの社交辞令だったんだ、って思うと悲しささえ覚える。
あの時間がとても楽しかったから。


すんなりと無人のまま私の元に戻ってきたそれを見ながら、もうソクジンさんとの接点は無くなってしまったんだ、って。



───いや、これが普通なんだ。


これが、本当に最後。

その日、心の中に得体の知れないもやもやしたものを抱えながら眠りについた。





翌日、
いつも以上に重たく感じる体を無理矢理動かしながら、出勤前にお弁当の準備をしようと、キッチンに置いたランチバッグのファスナーを開けた。

すると、見慣れない白い紙が折り畳まれて入っている事に気付く。
開くとそれはノートを破ったもので、急いでいた事がその破り方から伺える。


────────

急用で帰らなくちゃ行けなくて、手渡したかったのにごめんなさい。
昨日話せて元気を貰いました。
それから、またユナさんのおでんが食べたいです。

────────


最後の行にはトークアプリのIDが書かれていた。
書く文字からも、慌てていたと読み取る事が出来た。

何か嫌な事が起きたんじゃなければいいんだけど…。

そう心配しながら、私の目は最後の行から離せずにいた。

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lia(プロフ) - nasahiさん» 楽しみなんて言って貰えて嬉しすぎて私がきゅんきゅんしております✨あたたかいコメントありがとうございます (3月19日 19時) (レス) id: 2f80daa520 (このIDを非表示/違反報告)
nasahi(プロフ) - いつも楽しみにしてます✨ソクジン推しなのでソクジンメインのお話が見れて嬉しいです(*^^*)きゅんきゅんさせていただきありがとうございます (3月19日 15時) (レス) @page43 id: 30d7aaf159 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:lia | 作成日時:2024年1月23日 5時

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