白い紙 ページ38
ユンギさんがソクジンさんを飲みのお誘いにきた後、私がもう一度ジョングクさんの部屋へ電話を掛けるとやっと繋がり、忘れたバッグを取りに行く事を伝えられた。
ジョングクさんと話してる間にソクジンさんはとりあえずTシャツを着て、私が廊下に出るとドアまでお見送りしてくれた。
『ありがとうございました』
頭を下げて向き直ると、柔らかい表情のソクジンさんが、
「また明日ね」
『はい。また、明日』
私はお礼を言ってソクジンさんの部屋を後にした。
『あ…』
私の部屋の前で、ノックする体勢でこちらを見ている目と合う。
上下黒のスウェットで髪はしっかり乾かされているその手には、私のトートバッグが提げられている。
急いで駆け寄る。
『ジョングクさん。もしかして、私の部屋まで届けに来てくれたんですか？』
「うん。……今、ジンヒョンの部屋から出て来たよね？声が聞こえた」
『え、…はい』
黙って私を見つめるから少し緊張する。
その顔はなんだか不機嫌そうに見えた。
さっき可愛いパンツを無理矢理履かせたから、その事で怒っているのだろうか。
「ヒョンと何してたの？」
『何してた…っていうか。あ、ジョングクさんに連絡する為に電話を貸してもらって。後、大好きなお菓子も貰っちゃいました」
紙袋を持ち上げて見せながら、嬉しくて“えへへ”と笑った。
でも愛想笑いすらしてくれない。
終いには“あっそ”と、言われてしまった。
『何か怒ってます？』
「別に。はい、ちゃんと渡したからね」
雑にバッグを押し付けると、言葉とは裏腹に明らかに不貞腐れた足取りで斜向かいの部屋に戻って行った。
締まり掛けのドアになんとか、
『ありがとうございます』
と、言葉を投げた。
何かあるならちゃんと言ってくれればいいのにな。
そう思いながら自分の部屋に入り、返ってきたバッグをテーブルの上に置く。
リップなどを入れてるポーチから、折り畳まれた白い紙を取り出し開くと、そこに書かれた短い文の最後の“キムソクジン”の文字を確認する。
それを胸に当て、ちゃんと戻ってきた事に胸を撫で下ろす。
ソクジンさんが頑張ってる姿を見たから。
この五年…。
仕事で辛い事があっても、これまで頑張ってこれた。
この紙が、あれはちゃんと現実だったんだって確認出来る唯一のもの。
私の大事な“お守り”。
これがあるから私は支えられている。
感謝してもしきれない。
なんて…、
彼から逃げた私には言葉で伝えられる筈もないけど。
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lia(プロフ) - nasahiさん» 楽しみなんて言って貰えて嬉しすぎて私がきゅんきゅんしております✨あたたかいコメントありがとうございます (3月19日 19時) (
レス) id: 2f80daa520 (このIDを非表示/違反報告)
nasahi(プロフ) - いつも楽しみにしてます✨ソクジン推しなのでソクジンメインのお話が見れて嬉しいです(*^^*)きゅんきゅんさせていただきありがとうございます (3月19日 15時) (レス) @page43 id: 30d7aaf159 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：lia | 作成日時：2024年1月23日 5時
