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現場へ赴く車内では、まだ寝足りない者が寝息を立てていたり、イヤホンで音楽を聴いていたり各々自由に過ごす。

移動車は二台。
私はその片方の助手席に乗り込み、みんなの邪魔にならないように声のボリュームに注意しながら、ドライバーさんと移動スケジュールの確認をする。



ふと、誰かの視線を感じた。



振り返ると、ジョングクさんと目が合った。


見られていたことに思わず動揺してしまう。


それとは対照的に、大きな瞳が揺らぎもせず、ジッと真っ直ぐ私を捉えていた。


これは……、好意的なものじゃない。


どこか、私を探っているような目。

どう反応すれば正解なのか、迷いながらも微笑んでみる。

すると、それを拒否するかのように顔を窓の方に向けてしまった。



…ずきっ。




私は姿勢を戻すと、傷ついた気持ちを誤魔化すように心の中で苦笑いを浮かべた。




私がマネージャーに任命されてから、1ヵ月。

他の皆は比較的柔軟に、私を迎えてくれた。
でもジョングクさんに至っては、ずっとこの調子だ。

それは周りにも伝わっていて、ある時ジミンさんが、

「ジョングクは、人見知りする所があって、慣れるまで時間が掛かるかも知れない。でも、良い子だから。少し待ってあげてね」

と、兄が誤解されがちな弟を庇うように、そう私に囁いた。

目を細めた柔らかい笑顔に救われた気がした。


早く信用してもらえるようになりたい。
ジョングクさんをはじめ、皆にも。



そもそも私がマネージャーを担当する事になったのは、イレギュラーな事だった。

長年皆についていたマネージャーが昇進した事に伴い、新しい現場マネージャーを募った。
ところが、採用された女性マネージャーが不祥事を起こし、即刻クビとなった。
再度募集をかけたが適任者が見つからず、会社内での部署異動という形で事務職をしていた私が選ばれた。

なので私にとっては、とても予想外の出来事。

出来るなら拒否したかった。



あの人に……、

あれが私だと、バレてしまうんじゃないかと怖かったから。

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lia(プロフ) - nasahiさん» 楽しみなんて言って貰えて嬉しすぎて私がきゅんきゅんしております✨あたたかいコメントありがとうございます (3月19日 19時) (レス) id: 2f80daa520 (このIDを非表示/違反報告)
nasahi(プロフ) - いつも楽しみにしてます✨ソクジン推しなのでソクジンメインのお話が見れて嬉しいです(*^^*)きゅんきゅんさせていただきありがとうございます (3月19日 15時) (レス) @page43 id: 30d7aaf159 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:lia | 作成日時:2024年1月23日 5時

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