チャラ男の戦法 ページ9
Aside
「おかえり」
「ただい……ま？ です」
「何で疑問系なのよ」
「そこまで遠くには行ってないからですかね？」
戻ると、何故かおかえりと告げられた私は疑問系のまま言葉を繋いだ。正直な所、私も分かっていないんですが。
「あそこで中断に入るだなんてね」
「試験の評価に私情を持ち出さないでほしいですよ。まったく……」
「ご立腹だね、Aちゃん」
「私、使えない駒は捨てる派なんです。でも、いくら使えないからと言って十条家の子女を捨てる訳にはいかないでしょう？ だったら、使える様になってほしいだけです」
明らかに不満だと表している私の態度に、深夜兄様は笑った。いつもは気にしないその態度にも、今はムッとしてしまい、それに深夜兄様は少し慌てた様にした。
「いや、別に馬鹿にしてる訳じゃないんだよ？ ただ、そこまであからさまにするのは初めて見たものだから」
慌てた様子の深夜兄様に少しだけ余裕が出来た。
やっぱり、グレンさんを揶揄うのも楽しいですけど、深夜兄様もそこそこいい反応してくれますよねぇ。
「ふふ。そこまで慌てなくていいですよ。っと、五士さんの試合が始まりますね」
「あ、ほんとだ」
私の言葉に気づいた深夜兄様は舞台の方へ顔を向けた。歓声はそこそこ大きかった筈なのだが。
横目に見ると、グレンさんがゆきちゃんと別れてこちらに戻ってきていた。何やら十条さんはゆきちゃんを勧誘しているらしい。まあ、ゆきちゃんがそれでグレンさんの所から離れるとは思いませんけどね！
「えー、男相手に頑張れる気がしないなぁ」
五士さんの言葉に、深夜兄様が笑いながら突っ込む。
「ならお前は、女殴るのが趣味なのか？」
相変わらずへらへら笑いながら五士さんは振り向いた。
「いやいや、相手がかわい子ちゃんだったら、まいったーって言ってくるまでキスしまくる戦法でいくつもりだったんですけどねぇ」
「……もし、私がそんな事されたら男性の象徴を喜んで潰しますけどね」
小声で呟いた声が聞こえたのだろう。深夜兄様は若干青褪めた。五士さんには距離的に聞こえなかったのか、笑っている。知らぬが仏ですね。
「ま、いいや。やろ。早く終わろ。今日の試合さっさと終えて、俺、美人探しに行かなきゃいけないから」
指でちょいちょいっと、相手の生徒を挑発した。それに相手の生徒は腰に差していた着剣を抜く。
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ラピスラズリ(プロフ) - 空白さん» 返信遅くなってごめんなさい!面白いだなんてありがとうございます!これからも、更新頑張ります。 (2022年2月10日 1時) (
レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - 凪さん» 返信遅くなってごめんなさい!大好きと言っていただけるなんて光栄です!ありがとうございます。 (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - さくら＆りな(б∀б)さん» 返信遅くなってごめんなさい!やっと、続編まで来れました。更新が遅くなる事もあるかと思いますが、どうぞ見守って下さると嬉しいです。これからも頑張ります！ (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
空白 - メチャクチャ面白いです (2022年1月29日 0時) (レス) @page5 id: e38918ab99 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - やっぱりこの作品大好きです。これからも読み続けますね。 (2022年1月8日 18時) (レス) @page1 id: ae77e7925b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラピスラズリ | 作成日時：2022年1月7日 16時
