互いの傲慢さ ページ7
Aside
「始め！」
刹那、ゆきちゃんと十条さんが動き出す。
呪術で増幅された十条さんの動きは、異常に速い。それでもゆきちゃんはそれに対応していた。私の見解では、ゆきちゃんと十条さんは闘い方に縛りを付けなければ同じ位のレベルだと思っている。
ゆきちゃんは袖口に隠していた暗器を宙に舞いさせる。クナイに繋がっている糸には呪術符が巡らされており、次々と爆発していく。だが、その様子を見ても十条さんが止まる様子は無い。トラップに気づいていない様だ。
十条さんは自身へ狙われたクナイと呪術符を次々と交わしていく。
「おー、十条家、やっぱすっげぇな」
隣を見ると、深夜兄様は特段驚いた様子では無かった。深夜兄様位のレベルだと、十条さんの体術も、ゆきちゃんのトラップもそこまで興味が惹かれないのだろう。
私的には、ゆきちゃんは鍛え方次第な為に今後に期待しているが。
「はい、これで終わり」
嘲笑うかの様にしながら拳を突き出そうとすると、ゆきちゃんもトラップを発動させた。
「残念。その傲慢さがあなたを殺しました」
先程、十条さんが叩き落としたクナイが爆発し、腕を拘束してしまう。それで十条さんの動きは止まった。
だが、それでゆきちゃんは止まらなかった。
更にもう一本クナイを取り出し、十条さんの喉元に放つ。流石に不味いと思ったのか、監督官は止めようとする。これで痛ぶられているのが一瀬だったら止めない癖に。
そんな事をぼんやりと思いながら私は止めなかった。
何故か？
そんなの──
それで、止まる十条さんでも無いからだ。
「うごっけぇええええええ！」
「なっ⁉︎」
驚いた顔になった時雨の顔に拳がめり込む。
うめきながらクナイを投げるが、頬を掠るのみだった。実践だったら引き分けだな、と何処か場違いの様に私は冷静でいた。
「待て！ 勝者・十条美十！」
監督官が声を上げた。
その采配に、私は見下しながら遮る事はしなかった。それをするのは流石に怒られる可能性がある。最も、
勝利が決まったにも関わらず、十条さんは動かなかった。悔しそうにしながら、倒れているゆきちゃんを見つめている。
──ああ、これは……
「あの……この勝負、引き分けにしてください」
その言葉に、私は見えない様にしながらニンマリと笑った。
これで、堂々と彼女を庇える。
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ラピスラズリ(プロフ) - 空白さん» 返信遅くなってごめんなさい!面白いだなんてありがとうございます!これからも、更新頑張ります。 (2022年2月10日 1時) (
レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - 凪さん» 返信遅くなってごめんなさい!大好きと言っていただけるなんて光栄です!ありがとうございます。 (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - さくら＆りな(б∀б)さん» 返信遅くなってごめんなさい!やっと、続編まで来れました。更新が遅くなる事もあるかと思いますが、どうぞ見守って下さると嬉しいです。これからも頑張ります！ (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
空白 - メチャクチャ面白いです (2022年1月29日 0時) (レス) @page5 id: e38918ab99 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - やっぱりこの作品大好きです。これからも読み続けますね。 (2022年1月8日 18時) (レス) @page1 id: ae77e7925b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラピスラズリ | 作成日時：2022年1月7日 16時
