禁忌の知識 ページ5
グレンside
「すいませんね。昨日は、どうしてもあの後行っておきたい場所があって……」
「別に気にしてねぇよ」
「でも……」
「大丈夫だって言ってんだろ。……それより、お前」
「？」
「その……」
──これは戦争についての話です。
──ウイルスをまくのは、神でもなんでもなく、人間ですよ。それも、貴方のよく知っている人間達。柊という名の、人間。
斉藤という名の、百夜教の暗殺者を思い出す。
アイツの言う事が正しいのなら、柊家は禁忌に手を染めている。それも、密やかに。
その事を、こいつは知っているのか。昨日からずっと考えていた。
深夜は恐らく知らないだろう。彼は養子で、昨日の征志朗の態度と性格を見ても、教えられているとは思えない。
真昼は知っているかもしれない。彼女は柊家の次期当主候補の筆頭だ。教えられている可能性はかなり高い。
そしてAは……。
(こいつが一番分からない)
単純そうに見えて単純ではない。
それが柊家に生まれた女だ。
真昼も、コイツ程おかしくはなかったが、それでも5歳の頃から飛び抜けて賢かった。
「グレンさん？」
「あ？」
「いえ、先程から反応が無かったので。本当に大丈夫なんですか？」
「あ？ あー、それよりお前、戻らなくていいのか？深夜が来そうだが」
「……そうですね。そろそろ戻ります。それではグレンさん。頑張ってくださいね」
Aはそう言うと、元の場所に戻って幻術を解いた。
そうこうしていた間に、もう、一試合目は始まっていた。
試合は、完全な実戦形式で行われる。
勝利の条件やルールは──、
監督官が勝ちだと思った方を勝ちとする。
監督官が、能力が上だと思ったほうを、勝ちとする。
相手を殺してしまった場合は、逆に評定が下がる。
たった、それだけ。
仮に殺してしまった所で警察は出てこないし、退学にもならない。
“ここ”はそういう場所だ。
そして、この場所で一瀬の人間が殺された所で、評定は下がらない。
だから、ギリギリの所で勝つ。
偶然勝てたかのように振る舞い、生死を確定させる。
「勝者、一年九組・杉山みどり」
覚悟を改めて決めた所で、第一戦の勝敗の声が聞こえた。
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ラピスラズリ(プロフ) - 空白さん» 返信遅くなってごめんなさい!面白いだなんてありがとうございます!これからも、更新頑張ります。 (2022年2月10日 1時) (
レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - 凪さん» 返信遅くなってごめんなさい!大好きと言っていただけるなんて光栄です!ありがとうございます。 (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - さくら＆りな(б∀б)さん» 返信遅くなってごめんなさい!やっと、続編まで来れました。更新が遅くなる事もあるかと思いますが、どうぞ見守って下さると嬉しいです。これからも頑張ります！ (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
空白 - メチャクチャ面白いです (2022年1月29日 0時) (レス) @page5 id: e38918ab99 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - やっぱりこの作品大好きです。これからも読み続けますね。 (2022年1月8日 18時) (レス) @page1 id: ae77e7925b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラピスラズリ | 作成日時：2022年1月7日 16時
