早すぎる襲撃 ページ21
グレンside
斉藤が言った“開戦は十日後”、という言葉はまるで嘘だった。なにせあれから、二日しか経っていない。
もちろん、あれが本当の情報だとは流石に信じていなかったが……
「早すぎるだろうがっ」
思わず口に出してしまったが、周りには誰一人としていなかった。
周囲の状況を確認すると、ほとんどの者は対応出来ていない。白煙が上がり視界を邪魔している事から、最初の襲撃は殺傷が目的では無かったのだろう。
もう、美十も、五士も、姿が見えない。
そしてチラリと少し離れたところに居る人間を見る。
この白煙の中見える範囲にいるのは、深夜と、柊征志朗のみだった。
それでも悲鳴は聞こえる。
平和ボケした無防備な生徒達に、敵は用意周到に準備し、完全武装で襲いかかってきていた。
「こりゃ、最悪皆殺しにされるな……」
小百合と時雨を今日、置いてきて良かった、と心の中で安堵する。最後まで渋っていたが粘り続けた価値があったものだ。
そして、腰の刀に手を添え、警戒状態を続けると、試合場の中心に、やはりスーツ姿の一人の男が落ちてくる。その姿はあまりにも見覚えがあった。
一昨日会ったばかりの男。
斉藤という名の、《百夜教》の暗殺者だ。
「よし、じゃあとりあえず、全員死ぬか」
遊びに行こうか、とでも言うかの様な明るさだが、その言葉はあまりにも物騒だった。
つまり、向こう側は──《百夜教》はそうするだけの備えと実力を持っているという事だ。
「なんだ、あいつ……」
視界の端に居る深夜は、疑心を隠さずに見つめる。
「てめぇ、ふざけんじゃねぇぞ……柊家に手ぇ出して、ただですむと……」
「思ってるよ。それに私は、うるさいガキは嫌いだ」
そう言う限り、例の鎖を出して征志朗の方へ向かわせる。
「へ、へへ、んな弱ぇ武器で、てめぇらここに攻めてきやがったのか！」
征志朗は余裕そうに避けながら、それが罠だと気が付かずに嘲笑った。相変わらず学習しない男だ。
征志朗が避けた先には、先程とは比べ物にならない程の速さで向かう鎖があった。それは、ちょうど征志朗が静止する場所に仕掛けられており、アイツの実力で避けることはまず不可能だった。
「はいチェックメイト。傲慢さで死にましたって、天国に神様に報告しなよ」
「ちょ、やめ……」
征志朗は驚きと恐怖に顔を歪める。
今更になって自覚したのだろう。この男には敵わないと。
「……よけろよ、ぼけ」
固まる征志朗を蹴飛ばし、征志朗を白煙の外へ追い出す。
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ラピスラズリ(プロフ) - 空白さん» 返信遅くなってごめんなさい!面白いだなんてありがとうございます!これからも、更新頑張ります。 (2022年2月10日 1時) (
レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - 凪さん» 返信遅くなってごめんなさい!大好きと言っていただけるなんて光栄です!ありがとうございます。 (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - さくら＆りな(б∀б)さん» 返信遅くなってごめんなさい!やっと、続編まで来れました。更新が遅くなる事もあるかと思いますが、どうぞ見守って下さると嬉しいです。これからも頑張ります！ (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
空白 - メチャクチャ面白いです (2022年1月29日 0時) (レス) @page5 id: e38918ab99 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - やっぱりこの作品大好きです。これからも読み続けますね。 (2022年1月8日 18時) (レス) @page1 id: ae77e7925b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラピスラズリ | 作成日時：2022年1月7日 16時
