第七章 真昼に見る夢 ページ18
グレンside
翌日、昨日と変わらず演習場で、選抜術式試験が行われていた。
周囲は相変わらず、生徒たちの歓声や声援で賑わっている。特に俺が所属する九組は、エリートが集まっているだけあって、かなりの確率で勝ち進んでいた。
おそらくは、明日、明後日あたりには、クラスメイト同士の戦いもあるだろう。
この期間でクラスメイトも仲良くなり始めている。
「……まあ、俺を除いてだが」
小さく笑って、一人で空を見上げる。
今日はAも深夜達の方に行っているみたいで、久しぶりな静かな時間だった。
空は雲一つ無い綺麗な青空だった。
だが、その青空の下では、生徒たちの殺し合いが起きている。
人体実験とまではいかないが、それでも、この試合で死人は少なからず出ている。ならばこれはやはり、人体実験だろう。
「《百夜教》と、なにが違う……？」
もちろん、帝ノ月でも似たようなことは行われているため、批判するつもりは無いが……。
だが、それでも……。
「おいグレン」
隣から声がした。深夜の声だ。
横にはAがいないため、一緒にいた訳では無いらしい。
「うん？ 俺にはもう、話しかけないんじゃなかったのか？」
「まあ、そう言ったよな。お前には随分とがっかりしたし」
「なら話しかけるなよ」
「でも、あまりにも弱すぎるから、助けてやる気になった」
深夜の言葉に耳を疑う。
「あ？ どういうことだ」
「今日の試合。僕が手を貸してやるから、辞退しろよ」
俺は思わず深夜の方を見る。
「辞退？ いったい、どういうことだ？」
「昨日の話、聞いた。お前の従者の……なんて言ったか……」
「花依小百合」
「そう、その子。入院したんだって？」
そうだ。表向きはそうしているのだ。
確かに小百合の怪我は酷く、あの試合の後入院する筈だった。……Aがいなければ。
Aが呪術で怪我を治してくれたため、今は家で元気に家事をしていることだろう。
この情報統制は、俺たちだけで無く、Aも不味いことになる可能性があったためにAが手を貸した。病院に入院しているようにする書類も、監視カメラも、情報も全て操り、『小百合は寝込んでいる』という設定になった。それの付き添いとして、時雨にも休んでもらっている。
「傷の具合は？」
それを知らない深夜は聞いてくる。
だが、この様子だと純粋に心配している様だった。つくづく柊家に向かない人間だ。
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ラピスラズリ(プロフ) - 空白さん» 返信遅くなってごめんなさい!面白いだなんてありがとうございます!これからも、更新頑張ります。 (2022年2月10日 1時) (
レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - 凪さん» 返信遅くなってごめんなさい!大好きと言っていただけるなんて光栄です!ありがとうございます。 (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
ラピスラズリ(プロフ) - さくら＆りな(б∀б)さん» 返信遅くなってごめんなさい!やっと、続編まで来れました。更新が遅くなる事もあるかと思いますが、どうぞ見守って下さると嬉しいです。これからも頑張ります！ (2022年2月10日 1時) (レス) id: f58e338eee (このIDを非表示/違反報告)
空白 - メチャクチャ面白いです (2022年1月29日 0時) (レス) @page5 id: e38918ab99 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - やっぱりこの作品大好きです。これからも読み続けますね。 (2022年1月8日 18時) (レス) @page1 id: ae77e7925b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラピスラズリ | 作成日時：2022年1月7日 16時
