卒業 ページ6
黒尾鉄朗side
俺は、Aに言われた通り、次の日の朝 もらった手紙を読んだ。
封筒には、綺麗な字で
黒尾鉄朗様。と、黒崎A。と書かれていた。
俺は、丁寧にその封筒を切った。
そして、中の手紙を取り出し、読んだ。
『黒尾鉄朗様
この手紙を読んでるってコトは、もう、卒業式の次の日なんだね。
昨日はいきなり、"大学が県外"だなんて言って、ゴメンなさい。
そのコトを伝えて、クロに嫌われるコトが怖かったんだ。
なんて、言い訳にしかならないよね(笑)
私はね、キミのいる世界で笑ったコト、
キミの見る、私のいない未来を恨んだ。
そして、キミの声も温もりも態度も愛も。すべて すべて、私の宝物だよ。
付き合い始めた頃はさ、2人で"幸せだ"って互いに嘘を付き合って。
クロのニヤニヤした顔も好きだったけれど、あのクシャクシャに笑う顔も好きだよ。
そして、クロって意外と手が冷たかったよね。
私には、愛しきれなかったキミのコトも。
そのコトにつられて泣く私も弱いコトも。
代わりなんていない、特別な存在だって、許し会えた日も。
何気ない日々が、私にとって幸せだった。
もう私たちには明日がないコト。
隠してしまっていたの。
残されるキミに届くただ1つを、今でも探している。
「元気でいますか??」
「笑顔は枯れていませんか??」
「私じゃない他の誰かを深く深く、愛せていますか…??」
ずっと、来るはずのないキミとの日を願ったコトに鍵をかけて私の胸の中にしまっておきます。
許すだけでも、耐え抜くだけでも
きっと、誰も変われないよね。
私の中で傷付けない弱さが生きられないほど、大きく育った。』
と、ココで、1枚目が終わっていた。
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作者名：HONEY×BLOCK | 作成日時：2017年3月11日 9時
