三輪ちゃんに成り代わった件について

＊ ページ44

「悟っ、Aちゃんのこと
が大好きなことバレてるじゃないか！」

「ヤッベェこの子、最高じゃん。勇気あるぅ〜」


まって、少しずつ迫ってくるのはなんで？壁際へ寄せてくるのはなんで？真顔なのはなんで？
私の年齢わかってる？犯罪になるんじゃないの？てか傑くんが……今までは甘んじてたけどさ……ほんっもうに薄情者すぎて何もいえねぇ。

恋は盲目とはこのことだったか。
ま、私の感情が恋なのかは分からないけれど。推し活も恋に入るのかな〜なんて考えて現実逃避してみたり。


「A。今。なんつった？」


ロボットかようける。
めっちゃカタコトじゃん。

ガチ怒りじゃないといいんだけどな……いかんせんいつも五月蝿いから、静かな時の感情がうかがえない。

しかも、俯いたままの悟からは顔に影が落ち、表情を察することさえもかなわない。

フィーリングで感じろってか？(同じ意味)
feelingで！！！(とても良い発音)


「聞いてんだよ」

「悟は私が大好きだなって！」

「……」


手で顔を覆う悟。そのまましゃがみこんで、手の隙間からこちらを伺っている。なんだか不思議に思えて、隙間から除く目を見つめ返した。


素直に言われた通りのことをしたはずなのに、何故かまただんまりに。いや、こんな感じのことを言ったと思うんだけど！？間違えていたとしても誤差の範囲でしょ！！


「ぶっはぁ！や、やっべぇ、幼女にガチ照れしてんだけど！！ちょーウケる！！！」

「しょ、硝子、やめなってぇ！ふ、ふふっ、偏見はダメだよ！！そういうっ、趣味なだけで、悟は、ふ、悟なんだからっ！！！」


「うるせぇ！！！！！」

「さ、悟ぅ……」


真っ赤な顔で叫ぶ悟くん。私じゃなかったら泣いてるよ。小さい子がいるのにそんなに怒鳴って、本当に私じゃないとダメなんだから。ロリコンなのバレてんだからね！！！！


仕方ない。キリがないから、いつも通りのぶりっ子で……




「悟くん、Aのこと、好きじゃないの……？」




上目遣い、涙目、45度の首。さらに洋服の裾を掴む。もう私にかなう者はいないよね。


｢…好きだけどさぁ？！っあ〜、もう俺の負けでいいよ……｣

｢悟ッ……！！！｣

「ふふ、Aもなかなか魔性の女なんだねぇ」


チラリと流し目で硝子ちゃんに見つめられた。バッチリと目が合う。


「……え？なんの事？」

そのまんま悟に抱きつきに行った。


「ねぇ、悟。Aは、悟のこと、ずーっと大好きだよ」

悟……？→←待ってました

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