爆豪は少し素直じゃない 【爆豪勝己】

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「……言わねぇ」
『なんで？』
「……だせぇから」



珍しく素直な爆豪はそっぽを向いてそう言った。



『いいよ、ダサくても。どんなにダサい爆豪でもカッコイイって思っちゃうようになっちゃったんだもん』


そう言えば赤い顔をして爆豪は驚いたように振り返った。



「物好きだな、Aも」



そう笑う爆豪は今までで1番優しい顔をしていた



「……俺はAが思ってるほど優しくも出来た奴でもねぇんだよ。分かるだろ？態度も口も悪いし」
『知ってるよ』
「…挙句の果てには付き合ってもいねぇ奴にキスするし……クソみてぇな奴なんだよ」


まるで爆豪が私に嫌いになれって言ってるみたい、だけど……


『そう言えば私が爆豪のこと、嫌いになると思った？』


そんな事で嫌いになれるなら爆豪のこと、もうとっくに好きじゃなくなってるよ


​───────



んなこと思ってねぇよ、コイツは俺がこんなこと言ったところで嫌いになってくれるって思ってねぇ


……俺だってAに同じこと言われたってそんなことくらいじゃ嫌いになんてなれないくらい惚れちまったんだから



「…傷付けそうで怖いんだよ、Aのこと。フラフラ男の部屋やってくるしキスはされるは隙ばっかりだし、」
『爆豪って案外バカ？』
「は？」
『私が部屋に行ったのは爆豪だからだし、爆豪だって私にキスされる隙ばっかりじゃん。それに』


そう言って俺の顔を掴んで目線を合わせるとAは俺の目をしっかりと見つめた。



『爆豪は私を傷付けたりしないよ。爆豪にそんなこと出来ないって私は知ってる』
「……何でそんなこと言えんだよ」
『なんでだろ、分からないけど爆豪ってそういう人だもん』


俺の顔からパッと手を離すとAは俺にそう言って優しく笑った

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