キセキの世代のお嬢様 (ページ23)

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20話ページ23

背後にいた赤司の元へ綺麗にボールが渡った。

赤司の手元にボールを送ると、ゴールから一気に距離を取る。

ハーフライン位まで下がると赤司からボールを受け取る。

そして妃はそこからボールを投げた。

シュパッ

ストレートにボールはゴールに入っていった。

『よしっ！』

体育館中がざわめく。

緑間以外にあんな遠くからシュートする人を見たこと無いからだ。

あの緑間でさえもハーフラインからのシュートはまだやった事が無かった。

コート内にいるメンバーはスリーを決めたことよりも、ノールックで赤司にパスを出したことに驚いていた。

確かに妃は紫原の方を見ていたのだ。

妃に抜かれた青峰はすぐに方向転換をし、妃の後を追った。

後ろにいた青峰ですら取れないほど、妃の出したパスは赤司の方へ正確に飛んでいった。

妃のバスケはこんなにも鋭かったか

青峰、緑間、紫原、黒子、桃井はそう思っていた。

NBAのリトルスターの存在を知っていた赤司は、妃の想像以上の成長に少し驚いていた。

NBAのチーム入りするレベル、それがいかに高いかを1度のパスで痛感していた。

ミニゲームの結果は52-36で赤チームの勝ち。

いつも部活でやるミニゲームは差がついても5点程度だった。

でもチームに妃が入ったことで16点という差がついた。

妃のマークの青峰はほとんど止められなかった。

有川のマークについていた黄瀬もだ。

初見では青峰もできなかった黒子とのパス回しも妃は簡単にやってみせた。

しかも赤司の時と同様にノールックで。

妃のバスケ技術ははるかにレベルが上がっていた。

青「くっそー！妃お前すごいな！！あんなパス回しもシュートも見たことねーぜ！」

『青峰君も体制崩れたのにそっからシュート決めてたじゃない。あれには驚かされたわ。』

青「テツと赤司に出したノールックパスも！」

興奮気味に話す青峰の話をにこやかに聞く妃を有川や黒子は微笑ましく見ていた。

1年前によく見た光景だ。