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仕事を休んで1週間ほど経った。ストレスのせいか高熱が出てしまい、朝からベッドにいた。美香さんに来てもらおうかと思ったけど私の今後のスケジュール調整で大変だと聞いていたのでやめた。
天月｢あー無理しんどい｣
普通に話していて声の掠れはなくなったけど裏声やキャラの声を出すと掠れてしまう。その事実が私に歌手と声優を続けることができない、と言っているようで辛かった。
天月｢お腹…空いてないな｣
今の時間はお昼。朝から何も口にしていないけどお腹は空いていなかった。やることもやれないし辛いので目を閉じて寝ることにした。
目を開けると自分の部屋の天井と夕日が見えた。そして手に暖かい感触があった。
天月｢拓也…｣
江口｢ん…A？起きた？｣
天月｢なんでここに…うつしちゃうよ…｣
江口｢美香さんから熱出してるって聞いてさ…いてもたってもいられなくて笑｣
そう言いながら笑う彼の笑顔は夕日よりずっと眩しくて私に希望を与えてくれた。
天月｢もうバカ…｣
江口｢それは十分分かってます｣
天月｢でもありがとう｣
私は拓也に笑顔を見せた。辛いし苦しいし仕事はできないし泣き叫びたい気持ちだったけど拓也の顔を見るとなぜか笑顔になれた。
江口｢体調大丈夫？｣
天月｢うん。拓也が来たから熱も下がった｣
江口｢それは嘘でしょ｣
天月｢バレた｣
江口｢とりあえず熱計って｣
体温計を渡されたので体温をはかると38.6℃と表情されていた。
江口｢何度？｣
天月｢36.5℃｣
江口｢嘘つかない。…えっ、まだまだ熱高いじゃん｣
天月｢もう下がった｣
江口｢はいはい笑｣
私の額から汗が出ていたのでそれをタオルで優しく拭いてくれた。拓也は本当に優しいな。
天月｢拓也のこと好きすぎて逆に嫌いになりそう｣
江口｢何それ笑 嫌いにならないでよ？笑｣
うん、と頷いて拓也と繋がっている手をぎゅっと握った。大きくて暖かい拓也の手が私の気持ちを自然と軽くしていた。
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作者名：空白 | 作成日時：2021年4月6日 21時
