歌手と有名声優の甘い恋③ (ページ8)

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天月｢あ、いた！拓さん！｣

私は事務所に拓さんがいると聞きつけてずっと探していた。そして拓さんを見つけたので思いっきり抱きついた。

江口｢おわっ、びっくりした｣

天月｢見ーっけ｣

江口｢え、なに？可愛い｣

私は拓さんから離れていつもの無気力でこう言った。

天月｢はい、これアルバムです｣

江口｢急に素に戻るじゃん。ありがとう｣

天月｢私の声優デビューのときの秘話とかもあるんで聞いてくださいね｣

江口｢はーい。ありがとう。これ誰に配ったの？｣

天月｢まだ拓さんだけです｣

江口｢あ、そうなの？やっぱ俺が彼氏だか──｣

天月｢あ、LiSAさーーん！これアルバムです！｣

江口｢そういう訳ではなさそうだね｣

天月｢私色んな人に配ってきますね！｣

江口｢はーい。気をつけなよ。｣

江口 side

さっきAから貰ったアルバムの中を見るとCDが4枚入っていた。Aもすっかり人気歌手になっなあ、と少し嬉しくなってしまった。

江口｢ん？なんだこれ｣

歌詞が書かれてある紙の近くにメモ用紙があった。それを開いてみると｢好きです｣と女の子らしい文字で書いてあった。これは絶対Aの字だな、とすぐに思った。

江口｢俺も好き｣

好きですと書いてあったメモ用紙に軽くキスをしてポケットの中に入れた。これは絶対誰にも見せない。そう固く誓った。