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潮凪梨花 side



Aちゃんの部屋へ皆で行き、薬を飲ませて少しお喋りしていると頭がこくこくと船を漕いでいた。風邪なんて滅多に引かないだろうから疲れちゃうのかな。




夏油「A、寝ていいんだよ」

『や…お話する…』

夏油「じゃあ寝るまでここにいるから、眠くなったら寝るんだよ」

『うんっ』




傑くんに頭を撫でられたAちゃんは嬉しそうに目を細め、熱で赤い頬を更に赤く染めた。そんな2人はどこからどう見てもお似合いで、私の入る隙は無いなあと悲しくなる。




潮凪「ねえ硝子ちゃん」

家入「ん?どうした?」

潮凪「…私、やっぱり諦めようかなぁ」




その発言に硝子ちゃんは言葉を詰まらせた。分かってる、傑くんはAちゃんが好きで、Aちゃんの気持ちは分からないけれど少なからず悟くんを見る目と傑くんを見る目が違うことぐらいは。

きっとAちゃんは直ぐに傑くんを好きになるし、2人が結ばれたとして傑くんは一途だからAちゃんを大事にするだろう。

もし傑くんと先に出会うのが私で、Aちゃんほど強かったら…彼は私のことを少しでもそういう対象として見てくれるのかなぁ。



『す、ぐ…』

夏油「ん、おやすみ」

『ん…』



大きな瞳を閉じたAちゃん。小さい顔に長い睫毛。しゅっと通った鼻筋にサラサラの髪の毛。お人形さんみたいに可愛いお顔。私がAちゃんだったら、と何度思ったことか。

羨ましいけど、Aちゃんは何処か憎めない。それは呪術高専(ここ)に連れて来てくれた恩もあるし彼女が善人すぎるから。


私もAちゃんに負けないぐらい加味Aという1人の女の子が大好きだなぁ。





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作者名:空白 | 作成日時:2021年6月9日 23時

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