夏油傑の悩みの種 (ページ38)

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次の日。熱は未だ下がっていなくてボーッとする頭で天井を眺めていた。硝子には後でちゃんと行くって連絡したけど厳しそうだなぁ…こんな体じゃ1歩も動けそうにない。

ゴホッゴホッと何度目か分からない咳をすると部屋の扉が2回ノックされた。ガラガラの声ではい、と返事をするとゆっくり扉が開いた。

夏油「体調はどう？」

『傑…えっと…まあ元気、かな』

家入「嘘つけ。明らかに対策悪いですよって顔してんじゃねぇか」

『え…硝子もいるの？』

潮凪「皆いるよ。ほら、悟くんも」

五条「ちゃんと行くって、いつになったら来るんだよ」

…そういえば何分前に硝子に送ったんだっけ。近くにあった携帯を開いて操作して何分前に送ったか確認していると「2時間前」との表記があった。

…うん、2時間前？？

『あれ、てっきり私さっき送ったものかと』

五条「頭ん中バグってんのかよ」

『お前にだけは言われたくねぇ』

潮凪「ま、まあまあ…Aちゃん薬は飲んだ？」

『ノミマシタ』

家入「飲んでねぇな。おら硝子様特性薬だ口開けろ飲ませてやる」

『待ってごめん自分で飲むから落ち着いて』

硝子様特性薬を貰い、梨花が渡してくれた水と共にそれを体の中へ流し込んだ。硝子の事だしすごく苦いのかな、と思いきや苦いのが苦手な私でも飲みやすいように作られていた。

不器用だなぁ。

『夜蛾先生、何か言ってた？』

潮凪「Aちゃんの事心配してたよ」

『あの夜蛾ちゃんが…心配だと…』

家入「何だかんだ生徒想いだからな」

五条「そうだ、お前の姉ちゃんがこっち来るとか何とか言ってたぞ」

『えっ、姉さんが？』

夏油「この辺で仕事があるから顔見に来るらしいよ」

姉さんは私のたった1人の家族。両親は呪詛師に殺されてしまったけど姉さんは何とか逃れることができたので今もこうして無事に生きている。

呪いは見えるが呪力等は一切持っていないし、かと言って身体能力が高い訳でもないので呪術師にはならなかった。補助監督という仕事もあるが、やりたい事があるそうなので無理には勧めなかった。

『そっかぁ…楽しみだなぁ』

潮凪「お姉さんはどんな人なの？」

『容姿は私に似てるけど性格は真逆。大人しめだよ』

五条「姉が大人しいから妹にこんなヤツが産まれてきたんだな」

家入「多分そういうこと」

夏油「お姉さんはきっとまともな人だよ」

潮凪「じゃあ安心だね！」

『喧嘩売ってんの？』

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