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『うっ……うっ…』
私の後ろからは4名の気配がした。悟と傑と硝子と梨花ちゃん。勢揃いじゃん。
『ねえ、悟…私、美佳を助けれなかったよ…』
五条「……お前は助けようとしたんだろ」
『それでもっ……それでも!!助けれなかった!!』
もうとっくに冷たくなった美佳の手はとても綺麗だった。美佳…なんでいなくなるの?どうして私を置いていくの?お父さんもお母さんも…美佳も…
私の周りにいる人は私を残していつもいなくなる。どうしていつも私だけ独りなんだろう。
『美佳…戻って…来てよ…また愚痴とか恋話とかさ…しようよ…ねえっ…美佳っ…』
どれだけ私が名前を呼んでもどれだけ揺さぶっても美佳は起きなかった。優しい顔で眠ったまま。
家入「…A、帰るぞ」
『硝子…ただ美佳は眠ってるだけなんだよね。まだ治せるんだよね』
五条「何言ってんだよ。こいつはもう…」
『何かのドッキリなんだよ…ほんとは寝てるだけでしたーとかさ…美佳ならやりかねないし。高専帰って治そう?』
潮凪「Aちゃん…」
『そうだよ…硝子も梨花ちゃんもいるんだもん。治せるよね…うん、治せるよ!』
夏油「A、」
『ほら、美佳も起きなよ。治してくれるんだって。ねえ、みんな早く高専に────』
頬に痛みが走った。反射的に痛みが走った方の頬を片手で抑えると下唇を噛み、何かに耐えている硝子がいた。
家入「帰るぞ」
『……うん』
私は冷たくなった美佳を抱えて村から出た。
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作者名:空白 | 作成日時:2021年6月9日 23時