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我ながらゲスい質問だと思う。選択肢3つとか言いながら実質2つ。私から殺されるのも上層部に渡されるのもほぼ一緒だもんね。上層部に渡したら美佳の死は確実だろうし。
『あー反抗しても無駄だよ。今のあんた呪力のかけらもないんだから』
今の美佳の呪力は私の中にある。領域展開をして術式と呪力奪ったら呪力のみ受け取ることができるんだよね。いやーほんっとすごい術式!
高波「はぁ……どうせ答えは1個しかないんでしょ」
『わかってるじゃん!どれがいい?』
高波「……1」
『りょうかーい☆ さーてっ、お父さんに連絡だ〜
悟、美佳。帰るよ〜』
横たわっている美佳の傍から離れて悟と一緒に歩き出した。後ろを振り返らなくても分かる。美佳が頑張って起き上がり、歩こうとしているのを。
『もーーあんたは頑固かよ!頼れよ!』
高波「うっさいわね…さっきまで敵だったんだからそんなことできないでしょ」
『敵以前に親友でしょ?』
高波「!」
『親友なんだから頼りな。ほらっ』
高波「わっ…あ、ありがとう」
美佳に肩を貸しながら1歩1歩、確実に歩いた。本当は悟が運んだ方が早いんだけど私達に気を遣ってか、珍しく何も言って来なかった。
『昔もこんなことあったね』
高波「ほんとね。あんたがやらかした時でしょ?」
『そう笑 そんでもって初めて特級祓った日!』
高波「あれはほんっとビックリしたわよ…私には1級任せておいて自分は特級2体。ほんっと無茶するのね」
『えー?だってそれでこそ私だし』
高波「まあ…確かに笑」
ニコッと控えめに笑う美佳を見て思わず涙が出そうになった。久しぶりに見た親友の笑顔。それだけであと10年は無事でいられるわ。
『それでさ〜』
ゆっくり歩く私達を無視して悟はとっくに車に乗り込んでいた。少しでも美佳と話す時間が作りたかったから嬉しい。ありがとうね。
『さーて、この帳から出た瞬間。美佳は私のいいなりになりますがどうしますか?』
高波「Aのいいなりなら案外悪くないかもね。早く出るわよ」
『はいはい笑』
雑に返事をして帳に手を触れた。その瞬間だった。私の肩に乗っていた美佳の重さがふっと消えた。
『っ!?美佳!?』
辺りを見渡すと青色の髪色をした女性が美佳を乱暴に放り投げ、喉元に剣先をつけていた。ほんの少しでも動かせば喉は掻っ切られる…
どうすれば…
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作者名:空白 | 作成日時:2021年6月9日 23時