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『ねーーーーー』





補助監督さんが運転する黒い車に揺られながらそう放った。これから単独任務だ。まだ私は2級だけど1級相当の任務に当たることなんてざらにある。






五条「なんだよ、うるせぇな」

『いやそれこっちのセリフな?なんでいんの!?』

五条「夜蛾センに頼まれた」

『嘘つけい。夜蛾センが私にこの“単独”任務を当てたんだよ』

五条「ふーん。不思議なこともあるもんだな」






お前が裏で手を回したんだろ!!ふざけんな!!なんて声は心の中に留めておいた。偉いぞ私。ちょっと大人になった。





『っていうかさ、最近は任務に誰かしらついて来るんだけどどういうこと?』

五条「知らね」

『いつも単独任務じゃなくなるんだよね。単独だった任務なんだよね』

五条「でも誰かいた方が安心すんだろ?」

『それはそうだけど…』

五条「それにお前の術式的に俺とか傑みたいな強いやつがいたらやりやすいだろ」

『まあ…』





…最近の任務に誰かしらついて来たのは私のためを思って、ということにしておこう。問い詰めてもこいつは絶対言わないし人って誰しも言いたくないことの1つや2つあるしね。





『この後スイーツバイキング行こっか』

五条「お、いいな。予約しとくぞ」

『うん。ありがとう』





慣れた手つきで携帯を操作して電話をし、あっという間に予約を済ませた。ここ数日は任務が立て込んでいて忙しかったし息抜きは必要だよね。だからご褒美ってことで。太るって?大丈夫、それ以上に体動かしてるから。





「今回の任務は特級に近い1級って報告来てるから気をつけてね」

五条「A、言われてんぞ」

『あ、私?』

「そうそう加味ちゃん。無理しないでね?」

『大丈夫。この顔面で相手も惚れさせてやるんだから〜!』

「…はいはい」

『自分から言っといてそれはないんじゃない?』





いつものように軽口を叩けば冷たい目線を向けられた。もういいんだけどね!?慣れたんだけどね!?梨花ちゃんは「確かにAちゃん可愛いもんね!」と天使のような笑顔を向けてくれるのに。






『あ、呪具忘れた』

「トランクにあるでしょう」

『そうだった』

五条「…お前、将来独り立ち出来るか?」

『出来るよ!いや忘れ物したって思っただけじゃん!?そんな心配になる!?』

五条「今日はツッコミかボケかどっちかにしろよ」





こいつぅぅぅぅうう!!誰のせいだと思ってんのよ…!お前のそのサングラスかち割るぞ!!

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作者名:空白 | 作成日時:2021年6月9日 23時

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