夏油傑の悩みの種 (ページ13)

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夏油傑 side

『梨花ちゃん梨花ちゃん！！』

潮凪「なになに？どうしたの？」

『えへへっ、呼んだだけ』

潮凪「何それ可愛い〜笑」

HRが終わるとAは潮凪梨花の元へ駆け寄ってあんな会話をしていた。あそこだけ花が咲いているようだ。特にAなんか先程から口元が緩々。可愛すぎる。

『今度、私と傑の任務に着いて来るんだっけ？』

潮凪「そうそう！要領つかむために行くんだ〜」

夏油「そうだったんだ。よろしくね」

潮凪「うん！よろしく！」

五条「せいぜい迷惑かけないようにな」

潮凪「う、うん。頑張るね」

『ちょっと悟！！』

五条「あ？なんだよ」

『梨花ちゃんに謝りなよ！可哀想じゃん！』

この子はどこまで善人なのだろうか。こっちが心配してしまうほどお人好しだと思う。以前出会った、とはいえ1度だけ。今日だってほぼ初対面のような状態なのにここまで庇えるなんてさすがだと思う。

『梨花ちゃんの近くにいたら梨花ちゃんセラピーで癒されるんだよ！？知らないの！？』

五条「知らねぇな。まず潮凪に興味ねぇし」

『あのねぇ！！』

五条「まだ何かあんのかよ」

『いい匂いするんだよ！？癒されるよ！！』

「「「は？」」」

私と硝子と悟は声を揃えて言ってしまった。怒るところそこ？？興味無いに大して怒るんじゃないのかい？と頭の中でつっこんだ。恐らく2人もそうだろう。しかし言ったところで彼女の頭にははてなが付くだけなので言わなかった。

七海「失礼します。加味さんのお迎えに…って何ですかこの空気は」

『あ、健人と雄！』

灰原「え、その女の子誰？」

『転校生の潮凪梨花ちゃん！可愛いでしょ！』

灰原「わ！可愛い！！」

この微妙な空気は後輩2人のお陰で何とか崩れた。いつもは距離近い、と嫉妬するところだが今回ばかりは正直助かった。

『私は任務行くけど…梨花ちゃんのこといじめたら許さないからね！』

五条「はっ、関わることもねぇだろ」

『はぁ…悟は本当にデカい赤ちゃんだよ』

家入「あんたもデカい赤ちゃんだよ」

怒られるかもしれないから敢えて口に出さないけど私も硝子と同意見だよ。Aは気持ちを切り替えるためか頬を両手でパチンと叩き、「任務行って来る！」と元気よく教室を出ていった。

夏油「切り替えの早さは関心するよ」

家入･五条「同感」

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