ヴィランになっても (ページ47)

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ジーニストが家まで送ってくれることになり、車に乗り込んだ。凄く懐かしくて、ああ、ほんとに帰って来たんだなと実感できた。

「…今からウィンディさんに連絡をするんだ。心の準備は大丈夫か？」

『父さんに……勿論。準備はOKだよ』

ニコッと笑うとパソコンをバッグから取り出して操作をしていた。ビデオ電話なのかな？父さんと母さんはアメリカにいて時差はあるはずだけど……って気にしてる場合でもないか。

暫くするとジーニストがパソコンの画面を広げた。画面の中には懐かしい2人の顔が。

『…ただいま』

《A〜〜〜…おかえりぃぃ…》

『母さん泣きすぎ笑』

《体は何ともないのか？》

『えっと…個性無理やり増やされてるから何かしら異常はあると思う』

《そっかぁ…じゃあ日本に行って調べないとね》

父さんから聞いた話だと、私が敵に誘拐されたと知ったら世間が混乱するかもしれないと思い、ウィンディアはウィンディの元で鍛錬を積んでいると公表したらしい。勿論ただの口実だけど。

『じゃあ私はまだアメリカ留学中ってこと？』

《そうだが…明日、日本の雄英高校に入学することになったと俺の方から言っておこう》

『雄英に入学するって敵にも言ってるようなものだけどいいの？』

「ウィンディさんの考えが正しいだろう。相当なバカじゃない限りAが雄英に行くことは分かっているはず。Aの今後も考えるとその方がいいと思う」

『な、なるほど…』

説得力ありすぎて萎縮しちゃう。私がいない間も私のこと考えてくれたと思うと嬉しいな。

《それじゃあ、母さん達は仕事戻るわね》

『あ、うん。頑張ってね』

プツッと音を立て、画面が真っ暗になった。

…久しぶりに2人と話したな。てっきり呆れて見放されたものかと思ってた。まあ2人に限ってそんなことは絶対にないだろうけど。

『明日から雄英生か…』

「入りたいって言ってたじゃないか。嬉しくないのか？」

『嬉しいけど勉強ついてけるかな…』

「…今日は徹夜で今までの勉強教えるから頑張れ」

ジーニストありがとう。そして…迷惑かけてごめんなさい。明日は2人仲良く目の下に隈つけていこうね。

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