ヴィランになっても (ページ41)

今日:9 hit、昨日:6 hit、合計:45,239 hit

40 ページ41

弔くんの隣でオレンジジュースを飲んでいた。弔くんは新聞を広げてそこの記事を見ていた。

『何見てるの？』

「これだよ。平和の象徴が雄英に就任したんだって」

『雄英？』

「あぁ、覚えてないんだったな。ヒーローを輩出する高校だよ」

『ヒーローを輩出…悪いとこだよね』

「そう。やっとわかってきたんだな」

弔くんと過ごしてもうすぐ半年。ここに来て9ヶ月が経とうとしていた。もう電気が流されることはないけど念の為に機械はまだつけられている。

「Aは個性の使い方は十分だけど人を傷つけるのにまだ抵抗あるんだよな…」

「えぇ。もう少し強い薬を投与しましょうか？」

「いや、いい。そろそろ耐えられなくなるだろうし」

「雄英襲来の時には電気を流しましょう」

「そうだな」

『2人とも何話してるの？』

「大人の話だよ」

大人の話？
やっぱり私には分からないことがまだまだあるんだなぁ。早く大人になりたい。

その時、ふと頭の中で何かが流れた。

「絶対俺から離れんな」

だれ？

「気をつけるんだぞ」

だれ？

「Aちゃん！」

だれ？

「ウィンディア、仕事だぞ」

だれ？

「雄英来てよ！」

だれ？

この声は…姿は…私を呼んでるのはだれ？

・