ヴィランになっても (ページ32)

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『〜♪♪』

「随分と機嫌がいいな」

『そ〜なの！』

いや〜、我ながらプロっぽいこと言えたと思う！何かあれだね、私中学生じゃないよね。

「…仕事だ。出るぞ」

『はーい。どこ行くの？』

「立て篭り事件がコンビニであったらしい」

『立て篭り！中1の私じゃん！』

いいから早くしろ、と言われたのでピアスを付けた。金色に輝くピアスが眩しい〜！！

『準備おっけい！』

「よし、行くぞ」

ジーンズを履けというジーニストを無視して後ろを歩いた。ジーンズとか動きずらいしやだ。

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コンビニへ向かっている途中ドン、という爆発音が聞こえた。反射的にそちらを向くと黒煙が上がっていた。

『ごめっ、ジーニスト。私あっち行くわ』

「わかった。気をつけるんだぞ」

『ジーニストもね』

竜巻を起こして空からそちらへ向かった。
火が上がってる…プロヒーローも何人かいるみたいだけど人質がいるのか。

「ウィンディア！来てくれたのか！」

『敵はどんな…』

思わず目を見開いた。緑色の敵の中には勝己がいたのだ。何で勝己がここに…苦しそう…何とかしなきゃ。

『私相性最悪じゃん！早く火消して！じゃないと風使えない！』

「今やってる！」

風使いたいけど火が周りに移っちゃう…
竜巻使って消す？いや、消せない確率の方が高い。周りは野次馬だっているのに下手に動くのはまずい…

『あーもームカつく！！』

目の前に大事な人がいるのに。助けなきゃいけない人がいるのに。

何も出来ない自分にイライラしていると野次馬の中から出久が出てきた。そして敵の方に走っていた。

『出久！バカ！』

敵から攻撃されそうになった時、背負っていたバッグを投げて敵を怯ませた。ほんの少しできた隙間から息ができたのか咳き込んでいる。

「君が…助けを求めてる顔してたから」

無個性なのに。怖いはずなのに。何も出来ないって分かってるのに。今の出久はこの場の誰よりもヒーローに見えた。

敵がすかさず出久に攻撃しようとしたとき。オールマイトが出てきて片腕で出久と勝己を。片腕で敵を攻撃していた。

物凄い風で吹き飛ばされそうになったけどMt.レディに支えられて飛ばされずに済んだ。

『…雨？』

風が収まったかと思えば雨が降ってきた。上昇気流が起こったからか。

野次馬からは称賛の嵐。まあオールマイトだもん。さすがとしか言えないよ。

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