ヴィランになっても (ページ28)

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好き？勝己が私を？あれこれ夢なのかな？

「何か言えや」

『え、えっと…突然すぎて訳が分からないというか…』

勝己と合わせていた視線を下にさげた。絶対今顔赤いって。目みるとか無理だって。でも返事しないと…

「別に返事はいつでもいい」

『じゃあ…今してもいい？』

「…おう」

勝己の体が少し強ばってる。勇気出して言ってくれたんだよね。それなら私も勇気出して言わなきゃ！

『私も好きだよ』

「……は、」

『だから…よろしくねっ』

涙が少し溜まった目を勝己に向けると耳まで真っ赤になった勝己がいた。え…可愛いんだけど。

照れ隠しなのか嬉しいのか分からないけど私の体を自分の胸にぐっと引き寄せた。

『か、つき』

「あんま可愛いことしてんじゃねぇよ」

『か、かわっ…！？』

「ほら、ジーニストんとこ行くんだろ」

『え、あ、うんっ』

「気をつけろよ」

『うん。勝己ありがとね！』

ブンブンと手を振ってジーニストが待っているであろう事務所へ向かった。

夢なのかな。走馬灯なのかな。あれ走馬灯って死に際に見るんじゃなかったっけ。つまり私はもうすぐ死ぬってこと！？

『わわわ…どうしよう…』

勝己と付き合えたことに嬉しさを感じつつも未だ夢なのではないだろうか、と不安を感じる面もあった。

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