ヴィランになっても (ページ12)

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今日はジーニストの事務所でダラダラ。私はヒーローって言っても本職は学生なわけだから基本事務所には来なくていい。

会議のときは来いって連絡入るけど。

『う"ぅ"ぅ"…』

「どうした？」

『私は惚れてない私は惚れてない…』

「A？」

机で事務作業をしているジーニストと机に突っ伏している私。こんな姿を他のヒーローに見られたら怒られること間違いなし。

勝己のこともだけど…進路のことも考えると頭が痛くなる。

『昨日父さんと進路のこと話したんだけどさぁ…雄英行けってうるさくて…』

「雄英に行かないのか？」

『行かないよ。そもそも士傑から推薦来てるし』

「こんな早くからか？」

『うん。多分あれ、どこにも行かせないぞーっていう圧と他の高校に渡さないっていう印的な』

「なるほど。学生のプロヒーローは大変だな」

『めっちゃ他人事だね』

体をぐーっと伸ばすと休憩中なのかジーニストと目が合った。

「パトロールに行ったらどうだ？」

『パトロールいいね。何か買って帰ろうか？』

「確か飲み物が切れていたんだ。水を買ってきてくれ」

『りょーかーい』

机の上にある金色の金具がついたピアスをつける。これは私が免許とった日にイレイザーとミッドナイトとオールマイトとマイクと根津ちゃんがプレゼントしてくれたもの。

私好みのデザインで可愛いし、母さんもこれだと個性制御しやすそうと絶賛していた。

1度アメリカに送って、母さんが機械で色々した(企業秘密らしい)あとに私が付けれるらしい。

そしてジーニストがくれた銀色のブレスレットをつければ完成。

『行ってきます！』

「気をつけるんだぞ」

『はーい！』

ジーニストの事務所を出てスキップしながらパトロールに出た。今日も町は平和だなぁ。気温は低いけどポカポカする。

道中で友達と会ったら軽く手を振る。話したいのは山々だけど仕事中だからね！

『お、エンデヴァー？』

暫く歩いていると大きな赤い炎と人だかりが見えた。おそらくエンデヴァーを人目見ようと集まった人達か。

人だかりに近づき、危険なので離れてくださいと促す。

エンデヴァーもこの人だかりに多少イラついているのか動きが少し雑だ。市民を巻き込む可能性だってある…

そう思っていると敵が瓦礫をエンデヴァーに投げつけた。それをあろうことか避けたのだ。

市民が近くにいるのに避けるなんて…気づけば体が動いていた。

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