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story39 ページ40
かなりギリギリのところ、秋紀は助けてくれた。
秋紀の嘘にはじめは驚いたものの、
こくりと頷き、“ふり”を通した。
駅を抜け、いつも歩いている道を通っていく。
京治と珍しく一緒に帰った日のこと。
バレンタインデーの日のこと。
なぜか彼との思い出が蘇ってきて、気付けば涙が流れていた。
(…いつの間にこんな涙腺緩くなったんだろ)
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あの公園。
少し古いベンチに腰掛けながら、
秋紀の柔らかい話し方に安心しきって、感情を全てぶち撒けてしまった。
(最近の私、おかしいかも…)
完全に、“あの日”から情緒不安定になっている。
そのせいで、今日もまた秋紀に迷惑をかけて＿
「…ちゃえよ」
『へ？』
独り言なのだろうか、それは本当に小さな声だった。
「え、どこから聞いてた？」
秋紀は頭を掻きながら言う。
『…よく分かんなかった』
素直に返せば、
「そうか」
良かった、とでも言いたげに笑った。
(…そんな風にされたら、逆に気になるよ)
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作者名：凛夏 | 作成日時：2019年8月11日 15時
