あまくて、ずるい、きみのせい (ページ19)

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『…あの、あなた乃愛ちゃんの幼馴染ですよね』

『そーだけど、なに。敵排除？大丈夫大丈夫。この子は俺の妹みたいなもんだから。俺は保護者なだけぇ』

あぁ、やっぱり気のせいか

もう何回目だろうな

こうやって無駄に期待して、壊れていくの

分かってるのに、一瞬でも思ってしまう

たっちゃんの矛先が、私に向いてくれないかなって…

でも、改めてよく分かった

もう大丈夫って…決めたもんね

ゆっくりでもいいから、前に進むんだ

「あべくん、行こ」

『…えっ？でも、』

「たっちゃん。ご心配ありがとう」

「でももう私、子供じゃないから」

「ほら…辰哉、私たちも行こうよ」

『乃愛』

『お前、自分に下心あるやつとどこ行くわけ』

…だから！

「もうやめてよ！さっきからなんなのそれ！大体たっちゃんには関係なっ…」

い、じゃん…

『ほぉら。乃愛はすーぐ怒る』

『変わってないよ』

『お前はなぁんにも変わってない』

…たっちゃんに、何が分かるの

『帰る』

「はっ…！？」

『乃愛ちゃん、！』

「ちょ…辰哉！！」

痛い…痛いよ。たっちゃん

なんでそんなに強く引っ張るの？

妹だって線引いたじゃん

あべくん、置いてっちゃったよ…

あの人、たっちゃんの彼女じゃないの？

なんでこんなことするの？

意味わかんない

たっちゃんが分かんない