あまくて、ずるい、きみのせい

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『あ、そうだ』


電車に揺られ30分

そして、駅から歩き15分

入試時以来の大学は、何回か来ているもののやっぱり広くて、めぐがいなかったら迷子だった

Googleマップよりめぐだ


それから、式では長めのお話を学校長を始めたくさんの人から頂き、


座りっぱなしだった足は痺れた

そして今、そんな私の足を遠慮なく蹴ってくるめぐが口を開いた


『ここ、俺の知り合いがいるんだよね』

「そうなの？」

『そう、まぁもう先輩か。明日入学式だって昨日LINEしたら行く！！って。んで昼ごはん一緒に食う約束したけど、乃愛も来る？』

「えっ…？そんないきなり？」

『たぶん平気。むしろ喜ぶよ』


ピンク頭で、チビで、アニオタで…

ポンポンと出てくる先輩の特徴

結構キャラが濃い…かな？

それに、めぐがアニタクの先輩と仲よしとは意外だ


『んで、あとは動物に詳しい。あ、ちなみにメディア学科だから学部は違うけど』

「めぐ、その先輩のこと大好きだね」

『え？』

「だっていっぱい出てくるから。珍しいじゃん」

『ふは。まぁ…いい先輩だよ。背は低いけど』


ふわりと笑いながら、めぐは私の髪をぐしゃっと掴んだ

これは、めぐの照れ隠し

多分本人は知らないんだろうな



「んにゃ！？蓮！誰がチビだって！？」

『ふは、佐久間くんっスよ』

そんなやり取りをしていると、めぐの後ろから噂通り小柄な先輩が顔を覗かせた

「あれ！女の子！！」

『女の子って…昨日LINEしたじゃん。高校の友達だって』

「あ…初めまして。笹木乃愛です」


可愛らしい瞳と目が合う

二重も綺麗で、めぐとはまた違うイケメンだ


「あり？そだった？佐久間大介でーす。よろしくね！」

『ちゃんと覚えといてよ』


コツンとめぐが佐久間先輩の頭を突く

その顔はどちらも嬉しそうで、なんだか微笑ましい


『あ、ねぇ佐久間くん。乃愛のこともメシ連れてってよ』

「えっ、あ…いや」

「にゃ？いーよーん！どうせふっかの奢りだし！蓮はもう知ってるけど先輩と絡むいい機会じゃん！」

『だって』


くりんとした目と、柔らかいタレ目

どちらも選択権を与えるようで、与えないと意志を持った瞳だ



「あ…迷惑でなければ」

「じゃ、けってーい！ま！ファミレスだけどー！」

『奢んのふっかさんなんすからそれしかないでしょ。ほら、行くよ』


別にどこへ行くつもりでもなかったけどな


何かを感じたらしいめぐは、佐久間先輩と話しながら、後ろで固まっていた私の手を引いて歩き出した

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