春に銃声 (ページ4)

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3話ページ4

すぐさま男に銃口を向けられた。

「さ、早くそのピンク頭をよこせ〜」

ニコニコとした表情と裏腹に声はどことなく怒気が含んでいた。
仕方なく男を渡す。

「偉いねぇ♡じゃ、早く死んで」

発砲される。なんとなく予想していたからか、私も銃をすぐに取り出し撃った。

カン、という金属がぶつかった音が聞こえる。

「うわ、マジかよ」

ピンク頭を背負った男が、驚いたというように口を開けていた。

彼が撃った弾丸と私が撃った弾丸がぶつかり、間一髪私に当たらなかったのだ。

「兄貴ー、三途回収したかー？」

屋根上から竜胆の声が聞こえる。
早く逃げないといけない。

立ち上がり、銃を乱射した。

「うわっ!?」

二人が驚いている隙に自分はゴーグルを付けて閃光弾を放った。

走り続けて、大通りに出る。一時間程全速力で走っていたからか、流石に息が上がっていた。

「はぁ…はぁ…」

アジトまではまだ数時間かけて走らなければいけない。電車を使いたいところだが、生憎私は電車酔いするので無理だ。

だが流石に少し休憩したいと思い、近くにあったカフェに入った。

「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」

「アイスティートールで。あ、あとこれを。」

美味しそうだった和風パフェなるものも注文した。
席で待っていたら持ってきてくれるらしく、奥にあるカウンターテーブルに座った。
今日の仕事はなかなかヒヤヒヤしたものだと思い返す。
そして、ネットニュースを見ていると。

「え？」

動揺が隠せずに声が出てしまった。
梵天、という組織が問題行動をした事が記事に取り上げられていた。そして、その梵天のメンバー。
ハッキリとは写っていないが私には分かった。
今日助けたピンク頭も、私にやたらと発砲してきた男も、竜胆と呼ばれた男もこの写真に写っていたからだ。

ピンク頭は三途と呼ばれていたから、この三途春千代という男。そして竜胆と発砲男は兄弟らしい。
竜胆は兄貴と呼んでいたから発砲男は灰谷蘭という名前だろう。

そうこうしていると、注文していたものが運ばれてきた。

それとほば同時に客が来店した。チラ、と見やると白髪センターパートの男だった。童顔できれいな顔をしている。

アイスティーを一口飲んだ。そしてパフェに乗っていたミニたい焼きを齧る。甘い。

なんだか視線を感じ、レジのある方を見ると白髪の男がこちらをじっと見ていた。

「あの女性が食べてるのと同じやつで」

「かしこまりました」

目が合い、逸した。