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｢A、ちょっといいか…｣

明らかに暗いナムジュンに声をかけられた。

普段から明るい人ではないが、様子がおかしいのはあからさまだった。

『ジミナ、ちょっとだけ待ってて。』

ﾋｯｸﾋｯｸと泣き止んだあとの特徴的な呼吸を繰り返すジミンに

そう告げ、ナムジュンのあとに続いた。

この病院はとても大きい。

ICUのベット数も計り知れない。

グクの部屋から少し離れた部屋に入ると

そこに眠る人は私の唯一の家族だった。

『、、、ｯジン…くんｯｯ…』

｢さっき急患で運ばれてきた。

外傷は複雑骨折が3箇所。

頭を打っているから、明日検査を入れている。

持病のことを知ってる上で輸血もした。

運ばれる途中、心肺停止にもなった。

今は意識が戻ることを待つだけだが、

戻る保証は無い、、、。ごめん…。｣

不思議と涙は出なかった。

ナムジュンは優しいから謝ったけど、

彼は助けようとしてくれた。

『…こちらこそ、ごめんね。

仕事沢山あるのに、迷惑かけちゃって…。』

｢A、、、飛び降りたんだ。ビルから。

言うか迷ったんだけど…。｣

『やっぱり。

そんな気がしたよ。大丈夫。気長に待とう。』

強がったわけじゃないがそんな気がした。

連絡が取れなくて、居場所がわからなくて、

会いたいと思っていた人に会えただけで

今の私にとっては救いだった。

でも、本当は笑って名前を呼ばれたい。

優しく抱きしめて欲しい。

『…ジンくん。おかえり。』

一筋の涙が流れた。

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