【wrwrd!】拝啓大好きな君へ【短編】 (ページ2)

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2回目の初恋／tn ページ2

『久しぶり』

そう言って笑った彼女は、あの頃と何一つ変わっていなかった。

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tn｢おう。久しぶりやな。｣

高校の同窓会で会った彼女は、社会人ながらあの頃の面影を残したままだった。それがまた、俺の忘れかけていた初恋を思い出させる。

あの頃、俺は彼女が好きだった。
特別可愛いわけでもなかった、話がとても面白いわけでもなかった。でも、笑う時に目を細める彼女が、話してるととても落ち着くと感じさせる彼女が大好きだった。

『トントンは今何してるの？』

お互いの近況報告をしながら俺は騒ぎ出す心臓を鎮めることに必死だった。
きっと俺はまだ、彼女が好きだ。

(顔、赤なってへんよな...)

『トントンは今彼女とかいるの？』

tn｢おらへんよ。相変わらず独り者なんで。｣

Aは...？その言葉は飲み込んだ。
『いるよ』とはにかみながら答える彼女を想像するだけで嫉妬でおかしくなりそうだった。

『あっ... 私そろそろ帰らないと。今日は久しぶりに会えて嬉しかった。ありがとうトントン。』

会もそろそろお開き。二次会は何処に行くかと言う話が出てる中、そう言った彼女が立ち上がる。

tn｢おう。俺も楽しかったで。｣

このまま彼女を帰したら多分もう会えない。何か言わないと...

tn｢なぁ...『ねぇ』｣

俺の声と被せるように彼女が言う。
彼女は、俺が続きの言葉を待っていることを確認すると口を開く。

『私ねあの頃からトントンのことが好きだったよ。多分今も。』

tn｢えっ...｣

さよなら、と眉を下げた笑顔で彼女が呟いて去って行く。しばらく呆然としていたあと我に返る。
追いかけないと...俺はあそこまで言われて逃げるんか...？

動け俺の足！

彼女を追いかけて走る。

tn｢待ってや！｣

ビクリと肩を揺らした彼女が振り返る。

tn｢俺もAのことが好きや！あの頃からずっと。今も大好きや！｣

そう言うと、彼女は、キュッと目を細めて笑った。