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「先ぱ…あれ、またメロンパンですか?」
「また?」
会社に戻って、コーヒーを片手にさっき買ったメロンパンを頬張っていれば、後輩にそんなことを言われた。
また…って、私、そんなにメロンパン食べてたっけ?
「この前はコンビニのメロンパン食べてましたよね。
少し前もどっかのパン屋のメロンパン」
「え〜、そうだっけ?」
そっか、そんなにメロンパン食べてたか……。
でも見つけると思わず買っちゃうんだよ、メロンパン号を思い出して。
「メロンパン、好きなんですか?」
「好き?んー…美味しいよね」
「好きではないけどそんなよく食べてるんですか?」
「うーん…メロンパンにはちょっとした思い入れがあるというか、なんというか…」
一度メロンパンを机に置き、うーんと考え込む。
メロンパンにって、どんな思い入れですか…っと後輩に苦笑いされたけど。
「私が事件に巻き込まれて会社休んだことあったじゃん?それからメロンパンに思い入れが……」
「待ってください、先輩。
メロンパンと事件…どうやったら繋がるんですか」
メロンパンと事件……メロンパン殺人事件!?
なんて真面目な顔をして言う後輩に、思わず笑ってしまった。
「あ、休憩時間終わっちゃう。
メロンパン、半分あげるね」
「わっ!ありがとうございます!」
あれ以降、メロンパン号はもう使われなくなって志摩さんと伊吹さんは普通の機捜車に乗っているらしい。
………私がメロンパンに思い入れがあるのは、あのメロンパン号が懐かしいから。
それと、私を救けてくれたメロンパン号の刑事さん2人を思い出すから、かな?
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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2020年10月19日 18時