その先も君と【MIU404】 (ページ26)

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8.知らないコトページ26

「んー、終わった終わった！」

「早く終わってよかったね～」

仕事も終わり、私たちはみんなで帰路につく。
後輩達の恋路の話に花を咲かせた後、しっかり仕事に励んだ結果、結構早く仕事が終わった。

「あ、せっかくだし飲みに行きません？」

「いいなそれ！
昼間の話の続きとかしたいし！」

ねね？いいですよね～！
と詰め寄ってくる後輩たち。

んー…後輩と行くと奢らないわけにはいかないからお財布がちょっとピンチかなぁ……
でもキラキラとした目を前にすると断りにくい。

「んーじゃあ、少しだけなら…」

「夏樹ちゃん」

後輩の誘いを受けようとした時、ぽんっと肩を叩かれ聞き覚えのある声が聞こえてきた。
そして恐る恐る後ろを向くと……

「えっ、あ！」

「やっほ～」

そこにはヒラヒラと手を振る伊吹さん。
なんでここに、という驚きと、久しぶりに会えて嬉しいという気持ちとがせめぎ合っていた。

「どうしてここに…」

「ん～？今日は仕事休みでちょっとお出かけ～」

伊吹さんはヒラヒラと買ったものの入った紙袋を私の目の前で揺らして見せる。
ご機嫌なところを見ると、きっといい買い物をしたんだろうな、と想像できる。

「あの…先輩？」

「一ノ瀬さん彼氏いないって言ってたじゃないですか！あれ、嘘だったんですか!?」

「え、嘘じゃ…」

「どーも、夏樹ちゃんの彼氏、伊吹藍でーす」

「なっ！」

伊吹さんが後輩にそんな自己紹介をするから思わず誤解を解こうと言葉を探す。
えっと、えっと、と焦っていたら伊吹さんがふっ、と笑い声を漏らした。

「あっはは、夏樹ちゃん焦りすぎだって」

「それは伊吹さんが…！」

「ごめんごめん。
改めまして、夏樹ちゃんの友達の伊吹藍です」

夏樹ちゃんの後輩？よろしくね。
と変わらず人懐っこい笑みを浮かべる伊吹さんのおかげか、後輩たちもすぐに打ち解けていた。