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7.隣に立つ人 ページ24

「あ、一ノ瀬さん!」

「夏樹せんぱ〜い!」

「お昼一緒にしませんか?」





お昼を買って会社に戻ると、休憩室の扉から後輩二人が顔を出し手招きをしていた。





「何々、二人でお昼?
もしかして二人はそういう…?」

「違いますよ先輩、ただの腐れ縁です」

「ひでぇ」





お似合いだと思うけどな。という言葉は心の中に留めて、お昼を一緒にさせてもらうことにした。
二人きりを邪魔するのは心苦しいけど……誘いを断るわけにもいかないし。





「いただきます」

「あ、今日はメロンパンじゃないんですね」

「メロンパンはお休み!
今日は…じゃーん、のり弁です!」





パカ、っとお弁当屋さんで買ったのり弁を開ける。
会社の近くで買ったからまだあったかそうだ。





「二人は腐れ縁って言うけどさ、お互い好きな人とかいないの?」

「んー私は…いないですね。
何というかまだいいかな〜って」

「油断してると一生そのままだからね」

「経験者は語る」

「うっさい」





仕事のできる後輩だけどちょっと生意気。
でもなんだかんだこうやってお昼を食べたりする時間が好きだったりする。





「私にそこまで言うってことは…アンタは彼女の一人や二人、いるんだよね?」

「え、あー…」

「ダメですよ夏樹先輩、コイツこの前彼女と別れたばっかりなんです」

「え、そうなの」

「おい、おまっ、言うなって!」

「えー、聞こえなーい」





目の前で繰り広げられるのはもはや痴話喧嘩。
……くっつけばいいのに、そう思いながらご飯を口に入れた。

人の色恋を見るのは好きだけど、自分の色恋沙汰はどうも苦手だ。

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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2020年10月19日 18時

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