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【 志摩 side 】


30分以上遅れて待ち合わせ場所に着く。
こんなに待たせたから流石にどっか店に入っているだろうと思ったが……

彼女はすぐ近くのベンチに腰をかけていた。





「!」





そして、彼女の隣には知らない男が。
2人はなにやら笑顔で話している。

いや、一ノ瀬だって独身で彼氏がいないわけだし…
隣に男がいたっておかしくない。
俺がどうこう言う資格はない。


………はずなのに。
楽しそうに笑う姿は、なんだか納得がいかない。





「一ノ瀬」

「あ、志摩さん!」





早足で彼女と男が座るベンチに近づき声をかけると、一ノ瀬は笑顔で振り返った。
隣の男も少し驚いた顔で振り返る。





「悪いな、遅れて」

「いえ、お仕事お疲れ様です」

「えっと…どちら様で?
もしかして…彼氏とか、!?」





探るようにこっちを見てくる男。
さっき一ノ瀬と笑って話している姿を思い出したら……なんか、イラッとした。

だから、





「…だったら、何?」





彼女の肩に手を置いて男を軽く睨みつける。
すると、男は驚いたのか慌てて立ち上がる。





「あっ、あははっ、
彼氏いたんですね、すみません引き止めて!」

「あ…え…!?」

「ほんと、ありがとうございました!
そんじゃ失礼します七瀬さん!」

「七瀬…さん?」

「うん、また!いつでも連絡して」





バイバイと走り去っていく男に手を振る一ノ瀬。
そしてその男が見えなくなると……





「しーまーさーん?」

「……。」





じとーっと、こちらを睨んできた。
こうなったのも伊吹がきゃっきゃうふふとか変なことを言ったからだ。

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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2020年10月19日 18時

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