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__2017.1.9










「Aさん、情報提供者との約束を忘れたんですか?」

「もちろん覚えています。ですが、このままでは賭博場がまた移動して、折角掴めた情報も意味を成さなくなります。」
「はぁ…?」

「それに、情報提供者のバイト先で聞き込みをしたところ、誰一人エトリという人物を見たことはありませんでした。彼女がカジノの常連で金を掏った腹いせにエトリという架空の人物を作ったのではないか、という説も考えられます。」


そう考えていたのはAだけではなかった。組対も所轄も、合同会議に出席していたほぼ全員が彼女に賛同したのだ。
しかし、所轄の奴らは今思いついたかのように「確かに、それは一理ありますね」と、発言者の彼女に責任を押し付けながら口を揃え始め、そんな姿に桔梗は「ありえない…」と一言放った。
これほどまでに居心地の悪い会議室は無かったと思う。

しかし隊長の放った一言はガヤによって、誰にも届くことは無く宙に消えた。






________

___



「羽野さんを追い詰めたのは私です。エトリを取り逃がしたのも私。
 わかりましたか?会う資格がない理由。」


サングラス越しに黒い瞳がギラっと光る。
伊吹さんの、獲物を捕らえて逃がさないような…そんな瞳。



「でも羽野麦は会いたがってるんだろ?なんで会わないんだ。Aは逃げてるだけ」
「志摩、言い方」

「なんですか、志摩さんまで取り調べみたいに…」


カウンター席に座って静かにコーヒーを飲んでいた志摩さんが近づいてきて、伊吹さんの隣に座った。


「気が変わった。
 お前だけがなんでそんなに罪悪感を抱いてんだ。」
「当たり前じゃないですか、私のせいなんだから」
「最終決定を下したのはマメジだろ」
「私の一言のせいで!!!

 …摘発が行われたんです。
 あれから2年です。手掛かりは見つからないし羽野さんはまだ自由になれない」

「でもあの後Aは羽野麦を助けた。代わりに撃たれて重傷を負った。」



さすが志摩さんだ。私のそんなことすら調べていたのか。







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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月18日 17時

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