のんきな猫と死にたがり 2 (ページ9)

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今日が平日だったおかげで、空港へ着く前になんとか青池の乗っているバスの後ろに付けることができた。

「こちら機捜404から1機捜本部。マルタイのバスに追いつきました。追尾しますどうぞ。」

『機捜404。そのバスは次の出口で高速を降りる。
　バスに銃を所持した男が乗ってる。青池を撃った男。気づかれる前に確保して。』

おーう、無茶ぶり。今日の隊長はなんか荒い気がする。今の指示なんて特に。
空港に着く前に高速を降りるのはもちろん賢明な判断だとは思う。でももし、今、走っている最中に勘付かれて何か起きてしまったら…
いつもは的確な指示があって動くけど、隊長も焦っているのだろう。

「気づかれる前に確保ってどうやんの？」
「やるしかないだろ。」
「マジかー。そういうの大好き！」

伊吹さんの一言に不謹慎だな、と思うけどやっぱりなんでか憎めない。
拳銃を所持しているなら防弾ベストは必須だろう。すぐ着られるよう準備しておいた。

「気づかれる前に確保は俺やっていい？てかやるね」
「何か考えがあるんですか？」
「そこはさぁ、志摩ちゃんが！」

おっと、この人も他人任せだった。
バスを追尾しながら志摩さんが作戦を練る。伊吹さんと志摩さんはBの確保で、私は…メロンパンの歌を流す係。異論は認めないそうです。
仕方ない、今日はちゃんと指示に従ってやるか。

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高速を降りてすぐ、バスはターミナルのような場所で停車した。
その後ろに車を止めて伊吹さんが降りていき、バスの中に入っていった。

数秒してから『…OKでーす。』と連絡が入る。
バスの乗客が全員が座った合図だ。私は「了解です」と返事をすると歌のボタンを押した。

《メロンメーロンまるごと…》

メロンパンの曲を大音量で流して注意を引く。
車内では手錠をかけられたようで、志摩さんも確保した犯人の運搬のため車を降りていった。
なんだよ、本当に私のすることないじゃんか。
頬杖をついてフロントガラス越しにバスを見つめる。

『伊吹！もう1人いる！！』

志摩さんの大声と同時にバスの車内から、バンッ！という発砲音が聞こえた。
今日はここで大人しくしていようと思ったけど、この勢いだと何人いるかわからない。
車を降りてバスに近づこうとすると、

「そこを動くな！！」

いつの間にかついたのか、バスの死角から冴羽が私に向かって発砲した。

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