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__2017.1.16








違法賭博の一斉摘発から5日後、
池袋署ではあの忙しさがやっと落ち着いて、私は休暇を取った。

さすが似顔絵だけしか情報がない人、エトリという奴は逮捕できなかった。
やっぱり存在しない奴なんじゃないか。けど、いるという可能性がゼロになったわけではない。

私の中でそれがゼロになるまで、勤務時間外を使って調べることにした。







彼女が勤務しているという幼稚園に到着すると、外に不審な黒い車が見えた。

車内の様子はわからない。でも窓ガラスにフィルムを張るなんてもう怪しすぎる。
車から降りた人間の後を気づかれないように追うと、女性の叫び声が聞こえた。
声のした方へ急いで向かうと、羽野麦がスーツの男に髪の毛を掴まれて引きずられる寸前だった。


「その子を放せ!!!」


後ろから近づいて腕を蹴り上げると羽野麦に「逃げろ!」と声をかけた。

良かったのか悪かったのか…逮捕できないと思ったけど暴行罪で、現行犯で行けるでしょう。
そう思って男を取り押さえようとした瞬間、一瞬の隙だった。ポケットから拳銃を取り出した男は私に向かって3発発砲したのだ。
痛い、ということより、やっちまった、ということが脳内を占めて、意識が薄れていく中、私は初めて死を覚悟した。

同時に羽野麦への罪悪感が芽生え、
心の中で何度も何度も「ごめんなさい」と繰り返した。






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「Aちゃん?」

「…はい?」

「だからー、3人で飲みに行こうって!!!」


志摩さんが報告書を提出すれば今日の業務は終了のはず。
まぁ、今朝は仮眠もとれたし、偶には誘いに乗ってあげようかな。


「お、志摩ちゃんおかえりー!」
「報告書ありがとうございます」

「…いーえ。」


帰ってきた志摩さんの表情はなんだか暗い気がした。
でも伊吹さんのダルがらみを受けるといつもの表情に戻っていた。なんだ、見間違いか。
特に気にかけることもなくのんきに欠伸を一つかくと、私たちは分駐所を出た。




〜第2章 完〜

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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月14日 21時

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