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6#1 ページ36

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「機捜404から1機捜本部、市ヶ谷署管内ヘルプの重点密行終了。分駐に戻ります。」

『1機捜了解』




「あっ」

「あ?」
「どうしました?」


「あっ…」

「なに?」




「あっ!!」

「あー、もうやめたい……」



言いづらいのか、特に何もないのか。“あ”の後に言葉が続くことはない。
その後も「あっ」だけを言い続ける伊吹さんを私たちは無視して分駐所に戻った。











「お二人とも、ちょっとお話しようか?」

「話?」
「なんですか?」

「俺達が志摩をより深く知るための、ワン・ツー・スリー「「結構です。」」

「結構すんなよ。それ禁止ね?」



車から降りると、401も同じタイミングで終わったようで駐車場で出くわし、「お疲れ様です」と挨拶をした。
伊吹さんの知りたいことは大方予想つく。だからこそ嫌な空気になりたくないため無視するのが正解だと思った。



「しーまー、もうっ!!聞いてくれたって、」
「俺は眠いんだよ。」


駄々をこねる子供のような伊吹さんを無視して歩き出すと、





「よっ!相棒殺し!」





全員の動きが止まった。

たった今、伊吹さんの茶化すように放った一言によって、前に好奇心が彼を傷つけると気付いた私の努力が、一瞬にして壊された。

今まで無視を決め込んでいた志摩さんもさすがに振り向いて、伊吹さんの顔を見る。目に光が灯っていない暗い表情で。


「おっ、マジ顔……」


横顔しか見えてないけどその表情は伊吹さんに向かって“黙れ”と言っているようだった。
これ以上聞かないでくれ、と懇願するようなものじゃない。命令だ。



「いやぁさー?お前のことをさ?
 そう言ってるやつがいるんだよ。なんの話かなーと思って」


一度言い返そうとしたのか口を少し動かしたが、結局何も言わず志摩さんはここを立ち去った。


「待ーて志摩待て志摩!!
 しーましーましーましま!!相棒ごろ……イテッ!?」


陣馬さんが「余計な話を広めんな。」と、持っていたファイルで伊吹さんの頭を引っ叩いた。


「いや、相棒殺しってあれでしょ?ボケ殺しみたいな鬼殺しみたいな。まるごとメロンパンにメロンまるまる一個入ってないみたいな?」


悪意がなかったのか、逆に凄い。
人の心に土足で踏み込んでくるその図々しさは誰にも真似できないだろう。



「……志摩さんの相棒が死んでるのは、本当ですよ」

「はぁ?」

「事故か、自 殺か……他殺か。
 よくわからないって」






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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月14日 21時

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