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結局4機捜はあの日からも引き続き2機捜と継続捜査になり、404は疑いのあるマイと強盗候補のナムが通う日本語学校へ来ていた。


「マイさん、ナムさん、2人とも欠席はなし、大変真面目な生徒さんです」


学校の事務員である水森さんはファイルの中身を確認するとそう説明した。


「サボる生徒も多いんですか?」
「そういう学校もあります。
 生徒が寝ていても休んでいても注意をしない。
 店員20名のクラスに50名押し込める…その分学費が儲かります」
「それは違法では?」

「はい、先月もそういう学校が摘発されました。
 …うちは違いますよ?」
「じゃあ水森先生はこの2人が「先生ではなく事務員です。

 …生徒たちに期日までに学費を払わないと退学になるぞって、脅す役」


優しそうな見た目をして辛そうな役職についてるな、と同情した。
現に、水森さんはちょっと苦しそうな表情を見せている。


「…じゃあ水森さんはマイさんとナムさんがお金に困ってたって話を聞いたことは?」


言いづらいのか何なのか、水森さんは、はは……、と愛想笑いを浮かべ「みんな困ってます」と断言した。


「余裕があるのは裕福な家の中国人ぐらいで、生徒の八割は留学という名の出稼ぎ、偽装留学です。学校も国も出稼ぎだとわかってて受け入れている。
 向こうの労働者の平均月収は3万円。日本で月20万稼げば向こうの半年分…
 だから借金してまで日本にやってくる…

 “ジャパニーズドリーム”です。」






_____







水森さんからの聴取を終えてマイさんの様子を見に行く。


「…気づいた?」
「うん。あれは伊達メガネだ。俺と同じで度が入ってない」


おお、視点が違う。しかも超自信満々。


「“マイとナムは金に困っているから強盗をしてもおかしくない”と暗に言ってました」
「そう」
「うわー受け取り方が意地悪、性格わるー」



プルルル、とスマホが鳴って志摩さんが席を外した。

廊下の壁に寄りかかりながら教室で勉強をしているマイさんを見つめる。
さっきの話を聞いてしまうと、胸が苦しくなるような思いがした。


「どったのAちゃん」

「いえ、何も…

 おかえりなさい」


電話を終えた志摩さんが戻ってきた。相手はどうやら九重さんだったらしい。


「ナムにはアリバイがあった。9日の深夜弁当工場で働いてた」

「よーっし。これでマイちゃんに強盗の共犯説は消えた」
「消えてない。他に強盗のお友達がいるかもしれない」






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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月14日 21時

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