のんきな猫と死にたがり 2 (ページ15)

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「最後のツイートにわたしが助けるって」

九重の素朴な疑問に4人は頭にはてなマークを浮かべた。

「「「「「…」」」」」

またもや訪れた束の間の沈黙は、志摩のスマホによって破られた。表示された名前を確認すると、
……A？

「どうした」

『あ、志摩さん、現金1億円ってそのまま募金できるもんなんですか？』

Aからの唐突な質問に、志摩は「は？」という一文字しか返せなかった。
1億円だから多分青池つながりの話なんだろうが、募金とどう関係があるのか、
それより今こいつは何をしているんだ。

「ん？誰から？」
「…Aからです
　現金1億ってそのまま募金できんのかって聞いてきたんですけど」
「小銭だったらコンビニでできるんじゃね？」
「嬢ちゃん今どこにいんだ？」
「え、私の質問の方が先でしたよね？」

質問だらけの会話にこのままでは混乱しそうになったため、落ち着くために一旦切ってやろうかと思ったが桔梗に止められてスピーカーにした。

「…待って、Aは1機捜の分駐所にいたんじゃないの？」

『ん…？
　会議終わってからは寄ってませんよ？』

桔梗は頭が痛くなった気がした、というより今の一言で痛くなった。
屋上での一幕があり、Aが珍しく弱気だったから「一人にしてあげて」と言ったのに…
決して一人で行動する許可を彼女に出した訳ではない。
そっとしておいた方がいいと思ったからそう言ったのだ。
あー、そういえばそうだった。Aは切り替えが常人より何倍も早い奴だった。
怒鳴ってはダメ、怒鳴っては…
何回か深呼吸を繰り返してから落ち着きを取り戻すと「…今どこにいるの」と比較的優しめの声で問いた。
さすがに遠くには行ってないだろう…

『PCショップからの青池の足取りを真似して動いてて…
　今は銀座中央の赤い看板の前です。青池の血痕が付いたところの「はぁ！？」

芝浦署から銀座は車で行けば10分程度だが、404号車のキーはロッカーにかかっているし、何より彼女は歩くのが好きだったはず。
50分もかけて向かったのだろうか、信じられない。バカなのか？ああ、バカだったな。
頭の中で自問自答した結果、もとはと言えば「一人にしてあげて」と指示した自分が悪かった。

そう結論付けて、再度深呼吸をする。
それでも怒りは収まらず、桔梗は

「Aはそこから絶対に動くな！！わかった！？」

と圧をかけた。

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