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「この1年で犯人と同型の白い車に煽られたという通報がこれだけあったそうだ」


犯人は複数の偽造プレートを使い分けているらしい。
1年もの間捕まってないということは、どれだけの量のナンバーを使っているのだろうか。


「そして、この犯人に煽られて、煽り返した車の末路がこれだ。」

陣馬さんから見せられる写真はフロントガラスが割られていたり、ボンネットが凹んでいたり…
とにかく車が無残な姿になっている。しかもどれも人為的なものだ。


「最悪。」
「ひでぇな。」

「他にも、執念深く家まで跡をつけられたらしい。」
「つまり、この事件は煽り運転した水島がより悪質で凶暴な煽り運転をするドライバーと出会い…
 殺されかけた」

「不毛だなー…」

九重さんがまとめた話を聞くと、なんともまぬけな話だなんて思う。
煽り運転については近年注意されるようになってきたのに…
新しい時代に突入する手前、まだそんなことをしているのかと呆れる。


「どうして煽り運転をするんですか?」

「負けたくないからに決まってんじゃん。」

伊吹さんは九重さんを見向きもせずに純粋な疑問にそう即答した。
負けず嫌いでもここまでになると笑えないが。


「車ってのは自分1人の空間だ。その中で気が大きくなるってのもあるんじゃないか?」
「車の威を借りてマウントを取る。だけどマウントの取り合いは悲劇しか生まない。」





「ねぇ、さっきの車さー。やっぱそいつじゃない?」
「おもちゃ屋の前で見た車ですか?」
「そうそう、
 あ、深川通りのおもちゃ屋の前で白い車見たんすよ。その時はなんだっけな……あ、多摩ナンバー!」
「多摩ナンバーの通報はこれまでありませんけど。」
「どうしてそれが犯人の車だと思うんだ?」

陣馬さんの質問に考えるそぶりを見せた後、

「なんとなく。」

と勘で言った返事が返ってきた。
何を根拠に…とも思ったが、確かに


「一理あると思います」

「え、Aさんまで?」

「可能性は低くともゼロじゃないので。
 犯人は偽造ナンバーは無限に持ってそうじゃないですか。だからさっきの車も…って、ちょっ、」
「ほら、Aちゃんもそう言ってることだし!」


突然伊吹さんに肩をガシッと掴まれた。距離感近いな、この人。
びっくりして咄嗟に避けることができなかった。
すると

「おい、嫌がってるだろ」

と言って志摩さんが伊吹さんの手を掴み、解放してくれた。




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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月12日 0時

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