のんきな猫と死にたがり (ページ6)

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あの後、404は駐車場の防犯カメラから映像を貰って墨田署へ赴いた。
それを今は所轄に見せている最中だ。

「駐車場の入口に置いてあった防犯カメラの映像に、被害者の車をつけてきた不審な白い車が映っていました。この白い車の男は水島のあとを追ってここで一旦フレームアウトしますが、看板を外して持ち出し、また水島の後を追った。
　食事をする水島を表で待ち伏せ、出てきた所を看板で殴った。
　水島のポケットから車のキーを盗み出し、また駐車場へ戻り、今度は水島の車からドライブレコーダーを盗み出し、自分の車へ戻った。この後駅前方面に走り去ります。
　この、足立ナンバーの白い車について、もう1つの映像を見つけました。」

防犯カメラとは違う映像を見せるために他のパソコンを立ち上げる。午前中の煽り運転のドライブレコーダーの映像らしい。

「これ自分が運転してます」
「これは機捜404のドライブレコーダーです。背後から煽って来ているこの赤い車が被害者の水島です。見えますか？」

「うん？」

「この白い車、よく見てください」

指を差された後ろの白い車を見るが文字が見えづらい。
さらに運転が荒いのか映像も乱れ始めた。
すると突然志摩さんの右手が伸びてきて、ガタッ！！と大きな音を立ててパソコンが閉じられる。

「えー……
　今のは、本件に無関係でございます。」

「無関係です。はい。」

今の映像で伊吹さんが何をやらかしたかよく理解した。喧嘩以外にも車を無理やりUターンさせたみたい。志摩さんの方を見ると眼で語られる。何も言うなと。はい、何も言いません。

「巻き戻すと、水島は後ろの車に前に行かれないように牽制しながら走ってます。水島の後ろの車…それが、足立300 へ 13-02…犯人の車です」

「水島の野郎は煽りの常習でした。俺たちの車を煽る前に犯人のこともブイブイ煽ってた」

「おそらく犯人は煽られたことに腹を立て、犯行に及んだ。自分の犯行だとバレることを恐れてドライブレコーダーを盗んだと考えれば筋は通ります。」

「よし！ナンバーから住所割り出して、サクッと逮捕行きますか！」

私は伊吹さんの肩を掴む。

「あとはこちらで。初動捜査ご苦労さまでした」

「書類まとめたら戻りますので、後はよろしくお願いします。」
「お願いします」

志摩さんと共に一礼して所轄の後姿を見送る。
伊吹さんは腑に落ちないようでキョロキョロしていた。

「具合が全然わかんないなんで？」

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