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1機捜のヘルプが明けて、引継ぎに芝浦署引きたのだが、一階のロビーで桔梗隊長を見つけた。
挨拶しようと思ったけど電話中だったようで、黙っていると、
あの隊長から、冷徹隊長から!!ワントーン高めのかわいらしい声が聞こえた。


「ごめん!私が出るとき寝てたから、起こしちゃ悪いかなと思って静かに出ただけ…
 え?怒ってないの?心配してくれてるのね。
 ありがとう。ん?ふふっ、私もだーいすき」


職場で大胆な告白だな、なんて考えていると伊吹さんがニヤニヤしながら振り返ってくる。私は目を逸らした。盗み聞きなんていけないな、と思いながらも聞く耳を立ててしまう。人間の性だ、ごめんなさい隊長。

「はい、お仕事頑張ります」

最後にそう言って電話を切ると、ようやく私たちに気づいたようで気まずい雰囲気が流れた。


「おはようございます、ただいま戻りました。」


4人一斉にエレベーターに乗り込む。
すると私の前にいた隊長が振り向いた。

「A随分ラフな格好になったね」
「動きづらいの嫌で…」
「今朝までの当番は1機捜のヘルプだっけ?」
「はい、なので引継ぎにここへ」


エレベーターが到着して扉が開き、隊長に続いて降り立つ。


「その笑顔はなに?」
「何でもないです。」

「あ、そうだ、引継ぎ終えたらAは隊長室に来て。」

「はい」

一応返事は返したけど、あれ?私なんかしでかしたっけ…
今回は心当たりがなさ過ぎて怖い。
1機捜へと引継ぎを終えたのだが、伊吹さんが帰る素振りを見せない。
志摩さんが未だニヤニヤの止まらない伊吹さんの首根っこを捉えて引きずり出した。

「整頓はしておくから」
「…ありがとうございます」


2人に会釈してから隊長室のドアをノックする。
「どうぞ」と聞こえたため中に入った。


「すみませんでした」

「自覚あったの?」

「…」


自覚なくとも多分私が悪いと思って、とりあえず謝ったけど墓穴を掘ったようだった。
深いため息が聞こえて恐る恐る顔を上げる。


「また単独行動したんだって?志摩と伊吹に何も言わずに」

あー、

そういえばそんなこともした…かなぁ

確か昨日は深夜に強盗があったっていう通報を受けて、現場に向かって…
犯人が逃げた後だったけど後足を洗ってすぐに捕まえたんだよな、そう。私のお手柄で捕まえられたんだよな。
私悪いことしてなくない?

「…犯人捕まえました」


うわぁ、笑ってるけど目が笑ってない。



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作者名:古町小町 | 作成日時:2020年10月12日 0時

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